【堺 離婚 弁護士】会社経営者の夫との離婚|自社株と役員報酬の押さえ方
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【堺 離婚 弁護士】会社経営者の夫との離婚|自社株と役員報酬の押さえ方
会社を経営する夫との離婚は、一般的なサラリーマン世帯の離婚とは別物だと考えていただいたほうがよいかもしれません。財産の中心が預貯金や住宅ではなく、夫が保有する自社株や法人名義の資産に置かれているからです。
堺 離婚 弁護士へのご相談のなかでも、「夫が経営している会社のお金には手を付けられないと聞きました」「夫から『会社が潰れる』と言われると強く出られない」と話される妻の方が少なくありません。これらは半分は正解ですが、半分は誤解です。誤解の部分を放置すると、本来受け取れたはずの財産分与が数百万から数千万単位で目減りすることもあります。
このコラムは、堺市・堺東駅周辺にお住まいで、夫が中小企業や同族会社の経営者・役員である40代以上の女性を念頭に書いています。自社株の評価、役員報酬を踏まえた婚姻費用、法人名義に隠された財産の見つけ方など、経営者世帯ならではの論点を、実務の視点から整理します。
経営者の夫との離婚で「一般の離婚案件と違う」と感じる3つの場面
経営者の妻からのご相談を受けていて、最初に共有しておきたいのは、ご自身の事案が一般の離婚とは設計図のレベルから違うという点です。具体的に何が違うのかを、まず整理しておきます。
自社株という「動かしにくい財産」が中心になる
サラリーマン世帯の財産分与であれば、預貯金、保険の解約返戻金、住宅、退職金見込額あたりが中心で、いずれも金額の把握自体はそれほど難しくありません。一方、経営者の世帯では、夫が保有する非上場の自社株が婚姻財産の中核を占めることが多く、しかも上場していないため客観的な時価が存在しません。「いくらの財産か」を確定する作業そのものに、専門性と時間を要します。
野村総合研究所の調査では、金融資産1億円以上の富裕層の3分の1程度が事業オーナーであるとされており、堺市内でも、地場の建設業、製造業、運送業、医療法人、不動産管理会社など、同族会社の経営者世帯は決して少数派ではありません。堺は伝統的にものづくりの街であり、堺区から中区にかけての旧市街地、北区・西区の新興住宅地のいずれにも、創業数十年の同族企業のオーナー一族が住まわれています。こうした世帯からのご相談が当事務所にも継続的に寄せられる背景には、地域経済の構造的な事情があります。
役員報酬は夫の意思で動かせる
役員報酬は、株主総会の決議によって決まる仕組みですが、中小同族会社の場合、夫が過半数の株式を握っていれば、実質的には夫の判断で増減できます。離婚を切り出された途端、突然、月額役員報酬がそれまでの半額以下に下がるという例は、堺管内でも珍しくありません。
これは婚姻費用や養育費の算定に直結する問題です。役員報酬が下がれば、義務者である夫の収入も下がったことになり、妻が受け取れる婚姻費用も連動して下がってしまうのが、原則的な算定表上の取扱いだからです。ここをそのまま受け入れるか、減額前の収入をベースに算定すべきと反論できるかが、月単位で数万から十数万の差を生みます。
「会社のもの」と「夫のもの」の境界が曖昧になりやすい
中小同族会社では、社用車として使われている自動車が実質は家族のセカンドカーであったり、法人契約の生命保険が実質は退職金原資として積み立てられていたり、社宅として法人名義で借りているマンションに家族が住んでいたりと、法人と個人の境界線が事実上溶けていることが少なくありません。
法人格を尊重するのが原則ですから、「会社のもの」を妻に分与することは原則できません。ただし、その例外を主張立証できるかどうかが、得られる分与額を左右します。広島高裁平成16年6月18日判決は、同族会社の名義の財産であっても、その取得原資が夫婦の協働に基づくものであれば、名義に関わらず財産分与の対象とすると判断しています。この判断枠組みを使えるかどうかが、案件全体の規模を変えてしまうのです。
このように、経営者の夫との離婚は、論点の組み立てそのものが一般の離婚案件と違います。普段から堺・大阪エリアの離婚案件に取り組んでいる弁護士であっても、自社株評価や役員報酬の擬制までスムーズに対応できるかは、また別の問題です。詳しくは高収入の夫との財産分与・弁護士選びの考え方もあわせてご覧いただくと、全体の輪郭がつかめます。
経営者の夫との離婚で押さえるべき自社株・出資持分の財産分与
自社株は、経営者の夫との離婚で最も金額が大きくなりやすい論点です。ここを丁寧に組み立てるかどうかで、最終的な解決金が一桁違ってくることもあります。日頃ご相談を受けるなかでも、ここを通り一遍に処理してしまっている事案を引き継ぐと、本来取れたはずの代償金が数百万円単位で目減りしているという場面に出くわします。
婚姻前設立か婚姻後設立か
まず確認するのは、夫が経営している会社が、婚姻前に設立されたものか、それとも婚姻後に設立されたものかという点です。
婚姻前にすでに設立されており、婚姻前に取得していた株式は、原則として夫の特有財産になり、財産分与の対象になりません。婚姻前から夫個人の財産だったわけですから、これは納得感のある結論です。
これに対し、婚姻後に夫婦の協力のもとで設立された会社の自社株は、財産分与の対象に含まれます。東京地裁平成15年9月26日判決も、婚姻前設立の株式については特有性を認めつつ、婚姻後に設立された場合の自社株は分与対象になりうるという判断枠組みを示しています。
判断が分かれやすいのは、婚姻前から会社はあったけれども、婚姻中に株式の評価額が大きく上昇した、というケースです。婚姻前の評価額分は特有財産として控除し、婚姻期間中に増加した部分のみを共有財産として扱うという整理が一般的ですが、増加分を立証するためには、婚姻時点と別居時点の決算書類が必要になります。早い段階で資料を確保しておくことが、後の交渉力に直結する典型場面です。
なお、夫の親族から相続や贈与によって取得した株式は、特有財産として扱われるのが原則です。事業承継の場面で親から贈与された株式を、後の財産分与で「夫婦の協力で得たものだ」と主張しても、特段の事情がない限り通りにくいでしょう。ただし、婚姻中に新たに取得した財産は夫婦共有財産と推定されますから(民法762条)、相続・贈与であることの立証責任は、夫側が負担します。
同族会社の法人名義財産も対象にできるか
ここが経営者の夫の離婚で一番、攻防の分かれ目になります。
法人格は尊重されるのが原則ですから、会社が買った社用車も会社が借りている事務所も、夫個人の財産ではありません。しかし、形式的には法人名義であっても、実質的には夫個人の懐から区別がついていない、という会社は少なくありません。
広島高裁平成16年6月18日判決は、夫婦が経営してきた閉鎖的な同族会社2社について、その会社名義の財産も、取得原資が夫婦の協働によって得られたものであるなら、名義に関わらず財産分与の対象とすべきと判断しました。判断枠組みとしては、株主構成、役員構成、資産の取得原資、夫婦の関与の度合いなどを総合的に見ます。
医療法人については、大阪高裁平成26年3月13日判決が、医療法人の保有資産そのものを財産分与の基礎財産にはできないとしつつ、出資持分は財産分与の対象になると判断しています。この判例は、医療法人にとどまらず、持分会社(合同会社等)の取扱いを考える際にも参考になります。医師の夫との離婚に関しては医師の夫との離婚で押さえるべき財産分与の勘所で別途詳しく扱っていますので、医療法人の出資持分の問題はそちらをご覧ください。
実務で注意したいのは、これらの判例の枠組みを使って財産分与の対象を広げていくには、立証の負担が重いという点です。妻側で、会社の閉鎖性、夫婦の関与、取得原資の流れを示す資料を集める必要があります。決算書、株主名簿、取締役会議事録、預金通帳の入出金履歴、不動産登記簿などが、立証の柱になります。
自社株の評価方法
非上場株式の評価方法には、いくつかの考え方があります。
主に使われるのは、純資産価額方式(会社の総資産から負債を引いた純資産を発行株式数で割る)、類似業種比準方式(同業の上場会社の株価を参考にする)、配当還元方式(過去の配当実績から逆算する)の3つで、状況によってDCF(割引キャッシュフロー)法も使われます。
実務では、中小同族会社の場合、純資産価額方式が一番採用されやすい印象です。直近3期分の決算書を取り寄せ、貸借対照表の純資産額を発行済株式数で割れば、ひとまずの評価額が出せます。土地や建物が会社名義で帳簿価額のまま残っている場合、時価に引き直す調整も検討します。
夫の側からは、決算書上は赤字だから株式に価値はない、という主張がよくなされます。たしかに、形式的にはそう読めることもありますが、不適切な会計処理によって会社の純資産が過小に表示されているケースもあります。役員退職慰労金の引当金が過大に積まれていたり、減価償却資産が過剰に計上されていたり、回収可能性の乏しい売掛金が資産から控除されていなかったりする場合、それらを調整した実質純資産で評価し直すべきという主張が可能です。
評価の基準時は、清算の基準時を別居日としつつ、評価そのものは離婚時の直近の決算書に基づくのが一般的です。協議離婚や調停離婚であれば、清算基準時と評価基準時を双方とも別居日にそろえる扱いもありますが、訴訟の場合は事実審の口頭弁論終結時の評価で計算するのが原則です。別居後に会社の業績が大きく動いた場合、別居時点の評価で固定すべきか、離婚時で評価し直すべきかは、案件ごとに判断します。
現物分割は避け、代償分割で解決する
仮に自社株の評価額が確定したとして、これをどう分けるか。
選択肢としては、現物分割(株式そのものを妻にも譲渡する)、代償分割(夫が株式を保有したまま、妻に評価額の半分相当の金銭を支払う)、換価分割(株式を売却して現金を分ける)の3つがあります。
経営者の夫との離婚では、代償分割が原則です。理由はいくつかあります。
まず、非上場株式の多くは譲渡制限株式(会社法107条1項1号)で、株主総会や取締役会の承認がないと譲渡できないことがほとんどです。承認が下りないと、現物分割をしようとしても法的に動かせません。つぎに、現物分割をすると、離婚後に元配偶者である妻が一定割合の株式を持ち続けることになり、株主総会で議決権を行使できる立場になってしまいます。事業承継の観点から、これを避けたい経営者がほとんどです。さらに、第三者に売却しようにも、買い手を見つけるのが難しく、換価分割も実質的に機能しません。
そこで、代償分割が選ばれることになり、結局のところ、自社株の評価額をいくらに合意するかが交渉の中心になります。代償金の支払原資をどう確保するかも実務の論点で、会社による自社株買い、会社からの借入、役員退職慰労金の前払いなどが選択肢として登場します。代償金が高額になり一括払いが難しいときは、分割払い・利息・遅延損害金・期限の利益喪失条項などをセットにした合意書面を作成するのが通例です。
2分の1ルールを修正できる場面
財産分与の割合は、原則として2分の1です。共働きでも専業主婦でも、原則は変わりません。
ただし、夫婦の財産形成において、夫の特殊な能力や手腕の寄与が大きく、2分の1で分けることが公平に反するといえる事情がある場合、例外的に割合が修正されることがあります。経営者の夫の側からは、「会社の急成長は自分の経営手腕によるもので、妻の家事育児の貢献とは比較できない」という主張がしばしば出されます。
この主張がそのまま通るわけではありません。家事育児によって夫が仕事に専念できる環境を作ったこと自体が、財産形成への重要な貢献と評価されるのが原則です。修正が認められた裁判例の多くは、夫が婚姻前から相当の事業基盤を持っていた、上場やバイアウトで通常の経営活動の枠を超える資産形成があった、といった限定的な場面に絞られます。安易に2分の1を割り込ませる必要はありません。妻側の家事育児の具体的な内容、夫が事業に集中できた背景事情を、丁寧に主張立証していきます。
財産分与の前提となる財産の調査方法については離婚と同時に慰謝料を請求するための証拠と方法は?にも基本的な考え方を整理していますので、参考になります。
経営者の夫との離婚における役員報酬・婚姻費用・養育費の組み立て方
ここからは、別居中の生活費である婚姻費用、そして離婚後の養育費の話に移ります。経営者の夫の場合、ここでも一般のサラリーマン世帯とは違った注意点が出てきます。経営者世帯のご相談では、婚姻費用の場面でつまずかれる方が一番多いように感じます。
役員報酬は給与所得として算定する
会社経営者である夫の収入は、原則として、家庭裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」の給与所得者の欄をベースに算定します。役員報酬は、自営業者の事業所得ではなく、給与所得に該当するからです。
ここを誤解されて、「夫は社長だから自営業者の欄を見ればいいのでは」と思い込まれている妻の方が一定数いらっしゃいます。自営業者の欄で見ると、同じ年収でも基礎収入の割合が高くなり、結果として婚姻費用が一段高く算出されます。これは妻側にとっては有利な誤解ですが、家庭裁判所が認める計算ではないため、調停や審判で押し切ることは難しいでしょう。
源泉徴収票の支払金額が、役員報酬の認定資料になります。中小同族会社の場合、業績によって役員報酬が増減しているケースもあるため、直近3年程度の源泉徴収票を平均する取扱いがされることもあります。
算定表上限2000万円を超える場合の取扱い
家庭裁判所の算定表は、給与所得者で2000万円までしか想定されていません。経営者の夫だと、これを超える年収であることも珍しくありません。
実務では、年収が2500万円程度までであれば、算定表上限の2000万円を当てはめて算定する取扱いが定着しつつあります。これに対し、上限を大きく超える場合、つまり3000万円、4000万円といったレベルになると、上限で頭打ちにすべきか、それとも実額に応じて婚姻費用も上がっていくべきかが、案件ごとの争点になります。
判例も統一されていないため、頭打ち説と打ち止めなし説を妻側・夫側がそれぞれ主張するのが通例です。妻側として打ち止めなし説で勝負する場合、義務者の収入の中で生活費に回されていた割合(生活保持義務の射程)を、夫婦の同居中の生活水準を示す資料で立証していくことになります。クレジットカードの利用明細、海外旅行の記録、子どもの教育費、自宅の維持費、買い物履歴など、同居中の支出スタイルを再構成できる資料を、可能な範囲で揃えます。
なお、上限を超える場合の標準算定方式の組み直しでは、公租公課と特別経費は実額で控除し、職業費は給与所得者の場合10〜13%の一定割合とする計算が用いられるのが一般的です。基礎収入の割合を案件に応じて調整する考え方や、生活費指数を見直す考え方もあり、どの方式で計算するかが先行論点になります。
別居後の役員報酬減額には「擬制収入」で対抗する
ここが経営者世帯の婚姻費用で、最大の山場です。
夫が中小同族会社の代表取締役で、株式の過半数を握っているような場合、夫は自分の意思で役員報酬を増減できる立場にあります。離婚を切り出された途端、月額役員報酬を半分にしたり、ゼロにしたりして、「収入が下がったのだから婚姻費用は減額すべきだ」と主張してくる事案は、堺管内でもよく見ます。
この点について、大阪高裁平成19年3月30日決定が一つの基準を示しています。会社株式の過半数を有する実質的経営者として、自らの報酬額を決定できる立場にあった夫が、婚姻費用調停の第1回期日前後と審判移行直後に報酬を減額したケースで、裁判所は、その減額は婚姻費用分担額を低額に抑える目的でなされたものと推認し、減額前の収入を基準として婚姻費用を定めるべきとしました。
この判断枠組みを使うと、形式的な役員報酬がいくらに下がっていようと、減額前の役員報酬を擬制収入として婚姻費用を算定できる可能性が出てきます。ただし、夫側からは「業績悪化のためやむをえなかった」「他の役員も連動して減額した」といった反論が出ますので、決算書、月次試算表、売上推移、他の役員の報酬の動きなどから、減額の合理性を否定する材料を集める必要があります。
別居後の動きを見て早めに動くべき理由については高収入夫との交渉は別居初動30日が重要も参考になります。
法人化による婚姻費用逃れにも注意
個人事業主だった夫が、別居後すぐに法人化して、自分への役員報酬を低く設定するというパターンもあります。和歌山支店の事案ですが、夫が別居から半年に満たないうちに事業を法人化し、法人化前の事業所得約2500万円が法人化後の役員報酬では約1500万円に減少したケースで、裁判所は、法人化のタイミング、夫が法人の出資者であり役員報酬を自由に決定できる立場にあること、売上に大きな変化がないこと、夫側が収入減少の合理的な理由を示せないことなどを総合考慮し、法人化前の収入を基準に算定すべきと判断しています。
法人化による婚費逃れは、堺・大阪エリアでも稀に見るパターンで、法人登記の動き、法人化の経済合理性、出資割合などを確認すれば、対抗の入口は見えてきます。商業登記情報、法人税申告書、法人と個人の取引明細などを早めに押さえておくと、別居後の主張の足場が固まります。
役員報酬以外の収入も忘れない
会社経営者である夫の収入は、役員報酬だけにとどまらないことが多いものです。
源泉徴収票には載らない収入として、不動産賃料収入(個人名義のマンションを賃貸している場合)、株式配当(自社株からの配当、上場株式の配当)、講演料・原稿料、顧問先からの顧問料、生命保険の名義変更による経済的利益、親族からの定期的な金銭援助などが考えられます。
これらは、確定申告書の控え、市区町村の課税証明書、所得証明書を取り寄せて確認します。確定申告書には、給与所得以外のすべての所得が記載されるはずですから、一段ですが、所得の全体像が見えやすくなります。経営者の夫が、源泉徴収票だけを差し出して「これが私の収入のすべてです」と主張してきたら、確定申告書の開示を求めるところから始めるのが定石です。
役員報酬は差押禁止債権ではない
経営者の妻にとって有利に働く実務の論点として、役員報酬は給料と異なり、民事執行法の差押禁止債権には該当しないと一般に考えられている点があります。給料の場合、生計維持の必要から、原則として4分の3が差押禁止になりますが、役員報酬はその規律の外側にあると整理されています。
これが意味するのは、夫が婚姻費用を支払わなくなっても、確定した取り決め(公正証書、調停調書、判決など)があれば、役員報酬を全額差し押さえできるということです。経営者の夫は、こうした強制執行のリスクを嫌うため、合意自体は比較的成立しやすい傾向もあります。約束を守らせる仕組みについては約束を守らない夫に備える離婚協議書・公正証書の条項設計で詳しく扱っています。
別居初動で生活費を切らさない手当については別居直後の婚姻費用仮払い・緊急対応もご覧ください。
経営者の夫との離婚で法人名義の財産・隠し財産を見つける手順
経営者の夫との離婚では、夫名義の預貯金や個人名義の不動産だけを見ていては、本来の財産の輪郭がつかめません。法人を経由した資産が、見えにくいところに積み上がっていることが多いからです。堺で離婚案件を扱う弁護士として、ここをどこまで掘れるかが事案の解決水準を決めると考えています。
よく出てくる「法人経由」の資産
中小同族会社の経営者であれば、典型的には次のような資産が問題になります。
会社契約の生命保険のうち、長期平準定期保険や逓増定期保険といった節税商品は、保険料を法人で損金算入しつつ、解約返戻金は退職金原資として積み立てる仕組みです。契約者は会社、被保険者は夫、受取人は会社、というスキームが多く、夫個人名義の保険ではないため、表面的には財産分与の対象に見えませんが、実質は夫の退職金原資ですから、退職慰労金規程と組み合わせて評価対象に取り込めるかがポイントになります。退職金の取扱いについては離婚時の財産分与における退職金の扱いも参考にしてください。
つぎに、ゴルフ会員権です。法人名義で取得し、実質は夫個人がプレーしている、というパターンは多く、預託金や名義書換料を含めた時価で評価します。
社宅扱いになっているマンションも要注意です。法人が借り上げ、家族が住んでいるが、社宅家賃として夫が法人に支払っている金額が著しく低い場合、その差額分は実質的に夫への給与的給付と評価できる場合もあります。
法人名義で保有している不動産(収益不動産、駐車場、別荘)、社用車(高級車、複数台)、絵画や時計などの動産も、実質判断の余地があります。会社の福利厚生費として処理されている海外研修旅行、接待交際費として処理されている家族での飲食費なども、明細を集めれば実質収入の補強材料になります。
弁護士会照会という入口
夫が任意に資料を出さない場合、まず使えるのが弁護士会照会(弁護士法23条の2)です。弁護士会を通じて、金融機関、法務局、生命保険会社などに対して、口座の存在、不動産の登記、保険契約の有無を照会できます。
ただし、弁護士会照会は、相手方の同意なく預金残高の照会に応じてくれない金融機関もあります。「口座が存在するかどうか」までは答えてくれても、「残高はいくらか」までは答えない、という運用が一般的です。それでも、口座の存在さえ確認できれば、その金融機関の支店を特定できますから、調停や審判で調査嘱託を申し立てる入口になります。
調査嘱託で踏み込む
家庭裁判所で離婚調停や財産分与調停・審判が係属していれば、調査嘱託(家事事件手続法62条)が使えます。これは、裁判所が官庁・会社・団体に対して必要な事項の報告を求める手続で、弁護士会照会よりも回答率が高い傾向にあります。金融機関は、警察や裁判所からの照会には基本的に応じる方針を持っているところが多いからです。
調査嘱託の限界もあります。手当たり次第に複数の金融機関に一斉に照会することはできず、ある程度、口座の存在に合理的な疑いがあることを示す必要があります(探索的調査の禁止)。そのため、夫の個人名義の通帳のコピー、確定申告書、源泉徴収票、決算書類などを別居前に確保し、そこから法人や金融機関の取引先を割り出していく事前準備が、調査嘱託の射程を決めます。
別居前に手元に置いておきたい資料
別居後に資料を取りに戻るのは現実的には難しいことが多いですから、離婚を切り出す前、できれば検討段階で、次の資料はコピーかスキャンで手元に確保しておかれるのが無難です。
会社関係では、直近3期分の決算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、勘定科目内訳明細書)、税務申告書(法人税申告書一式)、株主名簿、定款、登記事項証明書、役員退職慰労金規程、生命保険の証券、ゴルフ会員権の証書類などです。
夫個人の関係では、源泉徴収票(直近3年分)、確定申告書の控え、所得証明書、預金通帳のコピー、保険証券、自宅の登記簿、夫名義の証券口座の取引残高報告書などになります。
これらは、家庭の書斎の引き出し、税理士からの送付物、夫のメールに添付された書類など、目に触れる機会のあるところに置かれていることが多いものです。コピーする際には、原本を移動させない、写真やPDFで保存しておく、保存場所は自分しかアクセスできないクラウドにしておくといった配慮が必要になります。証拠の集め方の基本については浮気の証拠の集め方もご参照ください。
税務関係の書類は税理士からのルートも
経営者世帯では、家族ぐるみで顧問税理士と長く付き合っていることが多く、申告書類や決算書類は税理士からの送付物として家庭に届きます。封筒のまま保管されていることもあれば、書斎の特定のキャビネットに集約されていることもあります。これらの書類は、家庭内の通常のアクセスの範囲で目に触れるものですから、こっそり盗み出すというものではなく、自然に確認できるものを、意識して記録するという発想で進めるのが現実的です。
別居・離婚切り出し前に経営者妻が準備しておきたい実務
ここまでの論点を踏まえて、経営者の妻が動き出す前に押さえておきたい実務を、時系列に沿って整理しておきます。
まずは資料の確保から
繰り返しになりますが、別居前に手元に置いておきたい資料を確保することが、後の交渉力を決めます。タイミングとしては、夫に勘付かれない通常の生活の流れの中で、淡々と進めるのが現実的です。
確定申告書の控えは、3月から4月の確定申告期にコピーしやすくなります。決算書類は、税理士からの送付があるタイミングで目に触れます。源泉徴収票は年末にまとめて発行されますし、保険証券は契約更新の通知と一緒に届きます。日々の生活の中で自然にアクセスできる資料は、目に触れたときに記録するという習慣をつけておかれるとよいでしょう。
役員になっている場合の身の振り方
夫の会社で、妻が形式的にでも役員(取締役、監査役)に就任している例は、堺管内の中小企業でもよく見られます。家族手当代わりに非常勤役員として役員報酬を受け取っているケースもあれば、妻が実質的に経理を担っているケースもあります。
別居が現実化すると、夫から「役員を辞任してほしい」と言われたり、株主総会で解任の手続を取られたりすることがあります。任期途中での解任については、正当な理由がない限り、夫側が会社法339条2項に基づく損害賠償義務を負う余地があります。突然の辞任要求に応じる前に、いったん立ち止まって、辞任時期、退任慰労金、未払い役員報酬の精算、競業避止義務の範囲などを整理しておかれることをお勧めします。
実際にご相談を受けるなかでも、「離婚と引き換えに役員辞任に応じる」という条件設計を、調停の中で交渉カードとして使うことがあります。役員という地位は、議決権、計算書類の閲覧請求権、役員報酬請求権を持つ立場ですから、簡単に手放さず、適切な対価と引き換えにしていくのが基本です。
子どもの教育費を証拠化する
経営者世帯の場合、子どもが私立中学・私立高校・私立大学に進学していることが多く、教育費の総額が一般家庭よりも高額になりがちです。婚姻費用や養育費の交渉では、これら教育費を「特別出費」として加算できるかが論点になります。
そのためには、入学金、授業料、塾代、習い事の費用、海外語学研修などの支出履歴を、領収書や引き落とし履歴で証拠化しておくことが大切です。同居中の教育水準を示せれば、離婚後も同水準の教育を維持する費用として、養育費に上乗せを求めやすくなります。私立学校の学費は、月額換算で数万円から十数万円に及び、これが算定表ベースの養育費に上乗せできるかは、子どもの将来の選択肢に直結します。
婚姻費用の早期申立て
別居が始まったら、できるだけ早く婚姻費用分担調停を申し立てるのが原則です。婚姻費用は、調停申立月分から認められるのが原則的な家庭裁判所の運用ですから、申立てが遅れると、その間の生活費は遡って取り戻せません。
経営者の夫の場合、別居の事実そのものを争ってきたり、婚姻費用の支払いを引き延ばしたりするケースもあります。早期申立てで「いつから婚姻費用が発生しているか」の起点を確定させることが、後の交渉の足場になります。なお、別居開始から婚姻費用の支払いまでの期間は、夫からの送金が止まっていることもあり、生活費が枯渇するリスクがあります。実家からの一時的な援助、自身の手元資金、親族からの借入れなど、つなぎ資金の段取りも並走して考えておきます。
離婚自体の方針を決める前に弁護士に相談する
経営者の夫との離婚は、論点が多く、しかもそれぞれの論点が他の論点と連動して動きます。自社株の評価方法を変えると代償金の額が変わり、代償金の額が変わると分割払いの条件が変わり、分割払いが発生すると公正証書の作成や担保設定の必要性が出てくる、という具合です。
ご自身一人で組み立てるよりも、早い段階で弁護士に伴走を依頼されるほうが、最終的な解決水準は上がりやすくなります。堺・大阪エリアで離婚案件を取り扱う弁護士のうち、経営者世帯特有の論点まで対応できる事務所は限られていますから、初回の相談で実際に話してみて、論点の整理が噛み合うかを見ておかれるとよいでしょう。40代・50代の女性の方が弁護士に依頼するメリットについては40代・50代女性が離婚交渉を弁護士に完全依頼すべき理由で詳しく整理しています。
堺・堺東エリアで離婚を依頼する弁護士選びの実務視点
堺・堺東駅周辺には離婚を取り扱う法律事務所が複数あり、どこに相談すべきか迷われる方も多いものです。経営者の夫との離婚という特殊な場面に絞って、地元での弁護士選びの視点を整理しておきます。
自社株の評価まで一緒に検討してくれるか
最低限の確認事項として、初回相談で、自社株の評価方法について具体的な議論ができるかを見るとよいでしょう。「とりあえず純資産価額で計算してみましょう」「決算書3期分を取り寄せられますか」「役員退職慰労金規程はありますか」といった会話がスムーズに出るかどうかが、経営者離婚の経験値を表しています。
「会社のお金には手を出せませんから」と最初から線を引かれる弁護士には、再考をお勧めします。会社のお金そのものは確かに分与対象外ですが、自社株の評価、法人名義資産の実質判断、退職金原資の取扱いなどは、別の枠組みの問題で、入口の整理を間違えると本来取れる財産分与が大きく目減りします。
会計・税務の連携体制があるか
自社株評価や役員退職慰労金の取扱いは、税理士・公認会計士との連携があると、立論に厚みが出ます。鑑定意見書まで取りに行くかどうかは案件次第ですが、いざというときに連携できる専門家のネットワークがあることは、解決水準に直結します。
南海高野線堺東駅という立地のメリット
当事務所は南海高野線堺東駅から徒歩5分の場所にあります。堺市内全域、高石市、和泉市、富田林市、河内長野市など、南海高野線・南海本線・JR阪和線の沿線にお住まいの方にとって、通いやすい立地と考えています。打合せ回数が多くなりがちな経営者離婚案件では、移動の負担が小さいことは案外、長期戦で離婚交渉を担う弁護士との連携を続けるうえで、見落とされがちな要素になります。費用感については費用についてのページもご覧ください。
打合せが夕方以降になることが多い経営者世帯の妻の方にも対応しやすいよう、夜間のご相談にも対応しています。お子さまの学校行事、ご自身のお仕事、夫に勘付かれないタイミングなど、ご事情にあわせて時間帯を調整いただけます。
経営者の夫との離婚でよく聞かれる質問
最後に、経営者の妻からよくいただく質問を、簡潔にまとめておきます。
Q. 婚姻前から夫が経営していた会社の自社株は、まったく財産分与の対象にならないのでしょうか。
婚姻前から保有していた株式そのものは、原則として特有財産として分与の対象から外れます。ただし、婚姻期間中に株式の評価額が増加した場合、その増加分について、夫婦の協力による寄与があれば、増加分を共有財産として扱える余地があります。婚姻時点の評価額と別居時点の評価額の双方を立証する必要があるため、決算書類の確保が事案の分かれ目になりやすい論点です。
Q. 夫が「会社が傾く」と泣きついてきます。財産分与は減らさないといけませんか。
会社の経営状況を理由に、財産分与の額そのものを減らす理屈は、原則として通りません。財産分与は、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を清算する制度ですから、別居後の経営状況とは別の話です。代償金の支払方法(一括か分割か、分割なら期間と利息)を交渉する余地はありますが、評価額そのものを下げる理由にはなりません。経営状況が本当に厳しいなら、決算書、月次試算表、資金繰り表を見せていただいたうえで、支払方法の調整を検討する、という順番です。
Q. 別居後に夫が役員報酬をゼロにしました。婚姻費用は請求できないのでしょうか。
請求できる可能性が十分にあります。大阪高裁平成19年3月30日決定の枠組みを使い、減額前の役員報酬を擬制収入として婚姻費用を算定すべきだと主張するのが、実務の入口です。決算書の業績推移、他の役員の報酬の動き、減額のタイミング(別居・調停申立てとの前後関係)などを揃えて、減額の不合理性を立証していきます。
Q. 法人カードで夫が個人的な支出をしていました。これは財産分与にどう影響しますか。
法人カードでの個人支出は、形式上は法人の経費として処理されていますが、実質は夫への報酬的給付と評価できる場合があります。婚姻費用や養育費の算定で、夫の実質収入に上乗せする材料になりますし、法人税法上は役員賞与として加算される問題も並走します。明細を保存しておかれると、複数の場面で武器になります。
Q. 私自身が夫の会社の役員になっています。離婚前に辞任すべきでしょうか。
辞任すべきかどうかは、案件ごとに判断が分かれます。役員のままでいると、株主総会の議決権、計算書類の閲覧請求権、役員報酬の支払請求権など、情報と現金へのアクセスを保てる利点があります。一方、夫から損害賠償請求や責任追及の構えを見せられるリスクもあります。辞任の時期、辞任時の退任慰労金、未払報酬の精算条件などを、離婚条件の一部として整理した上で決めるのが安全です。
Q. 夫の会社の従業員に離婚のことが知られると困ります。秘密は守れるのでしょうか。
協議離婚や調停離婚であれば、内容は当事者間にとどまり、外部に開示されません。調停も非公開で行われます。訴訟になると判決が公開されることがありますが、離婚訴訟そのものは原則として非公開で進行します。堺管内でも、経営者世帯の妻からは「夫の取引先や従業員に離婚のことが知られると困る」というご心配を受けることが多く、守秘義務を負う弁護士に依頼することで、情報の漏れる経路を絞り込むことができます。経験のある弁護士に依頼するメリットの一つは、こうした秘密保持の体制を仕組みとして持っている点にあります。
Q. 夫の会社の顧問税理士から、夫側に有利な情報を流されないか心配です。
家族ぐるみで付き合いのある顧問税理士に相談するのは避けたほうが無難です。中立性が形式的には保たれていても、実質的には夫の側に立つ立場ですから、別の税理士・公認会計士の助力を仰ぐのが基本です。当事務所では、案件に応じて、独立した立場の税理士・公認会計士を紹介できる体制を取っています。経営者の夫との離婚において、独立した会計の目線を確保しておくことは、自社株の評価や役員報酬の擬制の場面で代理人弁護士の主張に厚みを持たせるうえで意味があります。
Q. 夫が「弁護士を立てるなら離婚は受け付けない」と圧力をかけてきます。どうすればいいですか。
経営者の夫からよく出る台詞ですが、そもそも、弁護士を立てるかどうかは妻の自由です。夫がそれを拒否する権利はありません。「弁護士を立てるなら協議には応じない」と言われた時点で、協議離婚での解決は難しいと判断し、調停申立ての準備に入るのが現実的です。堺管内でも、代理人弁護士がついた段階で、感情的な対立から手続的な整理に切り替わる事案が多く、結果としてかえって早期解決に向かうことも少なくありません。
経営者の夫との離婚で「目減りを防ぐ」ために
経営者の夫との離婚は、自社株の評価、役員報酬を踏まえた婚姻費用、法人名義の隠し財産など、一般の離婚案件にはない論点が積み重なります。ご自身一人で組み立てるには分量が多すぎますし、論点同士が連動するため、どこか一箇所で判断を誤ると全体の解決水準が一段下がってしまいます。
堺 離婚 弁護士としてこれまで多くの経営者世帯の離婚案件をお手伝いしてきた経験からお伝えできるのは、早い段階で動き出した方が、後で取り返すよりも、はるかに楽だということです。資料の確保、婚姻費用の早期申立て、自社株評価の組み立て、すべてに時間がかかります。離婚するかどうかをまだ決めていない段階でも、選択肢を整理する目的で相談に来られる方は少なくありません。離婚後の生活設計の全体像については離婚後の生活設計で後悔しないためにもご参照いただくと、長い目線での見通しが立てやすくなります。
当事務所は、南海高野線堺東駅から徒歩5分、堺市・高石市・和泉市・大阪市南部などからアクセスしやすい場所にあります。初回相談は無料で、夜間のご相談にも対応しています。離婚に踏み出すかどうか迷っておられる段階の方も、ご自身の状況を整理する時間としてご活用いただけます。
ご相談のお申し込みはお問い合わせフォームから24時間受け付けています。お電話でのご予約も承りますので、ご都合のよい方法でご連絡ください。
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◆ 略歴
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2004年 防衛大学校 中退
2009年 大阪市立大学法学部 卒業
2014年 司法試験予備試験合格
2016年 大阪弁護士会登録(69期)
<所属>
大阪市立大学(現在の大阪公立大学)法学部 非常勤講師
大阪市立大学ロースクール アカデミックアドバイザー
大阪市立大学 有恒法曹会
大阪弁護士会 行政問題委員会、行政連携センター
<資格>
弁護士
行政書士
教員免許(中学社会・高校地歴公民)
<著書>
「生徒の自殺に関する学校側の安全配慮義務違反・調査報告義務を理由とする損害賠償請求事件」(判例地方自治469号掲載)
「行政財産(植木団地)明渡請求控訴事件」(判例地方自治456号掲載)
<学会発表>
「改正地域公共交通活性化再生法についての一考察-地域公共交通網形成計画に着目して-」(公益事業学会第67回大会)
◆ ホームページ
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https://tabuchi-law-office.com/rikon/