未払賃金を会社に請求するには?方法や流れを解説 |堺市の弁護士【田渕総合法律事務所】堺東駅5分

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未払賃金を会社に請求するには?方法や流れを解説

「決められた期日に給与が支払われなかった」「長年サービス残業を強いられてきた」といった未払賃金は、会社に請求することが可能です。しかし、どのように未払賃金を請求すればよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。未払賃金には時効もあるため、迅速な対応が必要です。

この記事では、未払賃金を会社に請求する方法と流れを紹介します。弁護士に依頼するメリットも解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

請求できる未払賃金とは?

労働契約や就業規則で決められた賃金を会社が支払わなかった場合、労働基準法の違反(第11条、第24条)として、未払賃金の請求が可能です。請求できる未払賃金は以下の7つが挙げられます。

  1. 定期賃金
  2. 退職金
  3. 一時金(賞与・ボーナス)
  4. 休業手当(労基法第26条)
  5. 割増賃金(労基法第37条)
  6. 年次有給休暇の賃金(労働法第39条)
  7. その他法第11条に定める賃金に当たるもの

請求できる未払賃金の具体例を挙げると、「決められた給料日に支払われていない」「残業時間どおりの残業代が支払われていない」「罰金として、一方的に給料が差し引かれている」「給料が最低賃金を下回っている」などがあります。

【参考|労働基準法 | e-Gov法令検索

未払賃金を請求する流れ・方法

ここでは、未払賃金を請求する流れ・方法を5つのステップに分けて紹介します。

証拠を集める

未払賃金を請求するには、賃金が支払われていない事実を証明する証拠が必要です。会社との交渉や労働基準監督署への申告、弁護士への相談の際にも、証拠を用意しなくてはいけません。必要となる証拠について詳しくは後述しますが、労働契約書やタイムカードなどが該当します。

未払賃金の額を計算する

請求する未払賃金の額を計算します。残業代の計算であれば、タイムカードや給料明細などの証拠を基に、残業時間と1時間あたりの基礎賃金、割増率をかけて算出します。こういった残業代の計算は複雑であるため、専門家に依頼するのがおすすめです。

内容証明郵便で会社に請求する

請求額を計算した後は、未払賃金の支払いを求める旨を請求書に記載し、内容証明郵便で会社に送付します。内容証明とは、「いつ」「誰が」「どのような内容を」「誰宛に」差し出されたかを、客観的に記録として残しておける制度のことです。

「送った」「送っていない」のトラブルを防げる他、裁判に発展した際にも証拠として活用できます。また、内容証明郵便による履行の催促によって、消滅時効の完成を6ヶ月間阻止できます。

交渉

会社と直接話し合いの場を設けます。基本的には直属の上司か人事部と交渉します。交渉した後、会社が請求額どおりに支払ってくれれば解決しますが、請求に応じないケースも少なくありません。また、交渉のテーブルすら設けてくれないこともあります。

交渉で解決しなければ、訴訟、労働審判

会社が支払いに応じてくれなかった場合には、裁判所に訴訟を提起するか、労働審判を申立てます。労働審判とは、労働者と会社との間で生じたトラブルを迅速に解決するための手続のことです。

通常の訴訟の場合、結審までに何回も審理が行われ、審理期間も1年以上かかることがありますが、労働審判は原則的に3回以内の期日で審理が終了します。

呼び出しを受けた者が正当な理由なく労働審判に出席しなかった場合、過料の制裁を受けることとなるため、会社側が出席する可能性は高くなります。

未払賃金は時効に注意

未払賃金には時効があるため、請求を実現するには迅速な対応が求められます。未払賃金の時効は以下のとおりです。

  • 2020年(令和2年)3月31日以前に支払期日が到来した賃金は「2年間」
  • 2020年4月1日以降に支払期日が到来した賃金は「3年間」

未払賃金の請求手続をしている間にも時効の到来が近づいていきます。未払賃金の請求を決めた時点で、時効を止める手続も行いましょう。時効を止める代表的な方法は、内容証明郵便で請求書を送付することです。内容証明郵便が届いてから6ヶ月間は時効をストップできます。

未払賃金トラブルを弁護士に依頼するメリット

未払賃金の請求は自身で行うことも可能ですが、計算は複雑である上に、回収にも時間がかかってしまう可能性があります。方法を誤れば、「1円も回収できなかった」という事態にも陥りかねません。

未払賃金を確実に回収するのであれば、弁護士に依頼するのが得策です。ここでは、未払賃金トラブルを弁護士に依頼するメリットを4つ紹介します。

未払賃金の額を正確に計算できる

未払賃金の額を正確に計算するのは困難です。残業代を計算するにしても、「基礎賃金がいくらなのか」「時間外労働の割増率」「深夜の法定時間外労働といった重複する場合の割増率」などを考慮して算出しなければなりません。

つまり、法律の知識が必要である上に、雇用契約書や就業規則に記載された会社のルールも反映させて未払賃金の額を求める必要があります。特に変形労働制やフレックスタイム制、年俸制といった特殊なケースだと計算はより複雑です。

労働問題に精通している弁護士に依頼することで、労働者の状況に応じた請求額を正しく計算してもらえます。自身の負担も大幅に軽減でき、仕事や日常生活にも支障をきたさなくなります。

会社に証拠の開示を求められる

未払賃金の計算や請求には、タイムカードやシフト表などの証拠が必要です。必要となる証拠例としては以下が挙げられます。

【未払賃金があることを証明する証拠】

  • 給与明細書
  • 源泉徴収票
  • 給与口座の履歴
  • シフト表
  • 離職票
  • 退職証明書
  • タイムカード
  • 勤務時間を記録した手書きのメモ
  • 業務用PCの使用時間の記録、ログイン記録
  • 会社とやり取りしたメールやLINEの記録

【支払われる賃金を証明する証拠】

  • 雇用契約書
  • 労働条件通知書

上記が証拠となり得る資料ですが、「雇用契約書や給与明細書などが手元にない」という人も多くいるでしょう。それに、タイムカードや賃金台帳などは基本的に会社が管理しています。こういった書類の発行を自身で求めても、会社側が対応してくれない可能性があります。

その際は、「証拠保全」や「文書提出命令」といった強制的な開示手続によって未払賃金の証拠を入手することが可能です。しかし、「証拠保全」や「文書提出命令」は裁判所を通す必要があるため、自身で手続をするのは容易ではありません。

弁護士に依頼することで、煩雑な開示手続も速やかに対応してもらえます。

遅延損害金の請求も可能

給与の支払いが遅れた場合は、「遅延損害金」が発生します。在職中の場合、遅延損害金の年利は3%、退職後は年利14.6%です。また、使用者の賃金未払が悪質な場合は、付加金(未払額と同等の金額)の請求が可能なケースもあります。そういった遅延損害金の計算や付加金の請求も弁護士に任せられ、よりよい解決が目指せます。

交渉、労働審判、訴訟など、状況に応じた解決が可能

未払賃金トラブルの解決方法はひとつではありません。裁判を起こさずとも、交渉だけで解決するケースもあります。「できる限り穏便に済ませたい」といった場合は交渉、「スピーディーに回収したい」といった場合は労働審判など、依頼者の希望や状況に応じて適切な解決手段を提案してくれます。

まとめ

給与や残業代、ボーナスなどの未払賃金がある場合は、時効が完成する前に行動する必要があります。タイムカードやシフト表などの証拠を集め、未払賃金の額を計算し、内容証明郵便を送付しましょう。

「未払賃金を確実に回収したい」「残業代の計算方法や手続の仕方が分からない」といった場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。

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