いじめ被害は証拠がなければ泣き寝入り?証拠になり得るものや対応法を解説 |堺市の弁護士【田渕総合法律事務所】堺東駅5分

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いじめ被害は証拠がなければ泣き寝入り?証拠になり得るものや対応法を解説

いじめ被害を受けた場合、加害者に対して「刑事告訴」、加害者の親や学校に対しては「損害賠償」を請求できます。ただし、いずれの対応を取るにせよ、いじめの事実が明確である証拠が必要です。

子どものいじめは、スマートフォンの動画・画像や録音データなどの有力な証拠がないケースがほとんどです。とはいえ、証拠がなくても諦める必要はありません。学校による調査で、新たに証拠を作ることも可能であるためです。

この記事では、いじめの証拠になり得るものや、証拠がない場合の対応法について解説します。

いじめ問題で証拠が必要な理由

いじめ被害について、証拠がなくても学校に調査を依頼することは可能です。ただ、証拠があれば学校側もいじめの事実を重く受け止めてくれるようになり、加害者に対して注意や指導をしてもらえます。

また、いじめは秘密裏で行われることが多く、裁判ではいじめの存在自体を争うケースも少なくありません。その際に、証拠があれば被害者の主張を認めてもらいやすくなり、裁判で勝訴する可能性が高まります。

証拠がないと、加害者がいじめの事実を否定したり、学校や警察が取り合ってくれなかったりするケースも少なくありません。いじめの証拠を記録として残すのは心が痛むことですが、問題を解決し、適切な補償や謝罪を受けるためにも重要です。

いじめ加害者に対して取れる法的対応についての詳細は、次の記事も参考になさってください。

「内部リンク:いじめの加害者を訴えることはできる?被害者が取れる対応などを解説

いじめの証拠となり得る具体例

いじめの種類によって必要となる証拠は異なります。ここでは、いじめの証拠となり得る具体例を紹介します。

暴力によるいじめ

殴る蹴るなどの暴力による「いじめ」は、暴行罪や傷害罪などで罪に問えます。暴力によるいじめの証拠として、以下が挙げられます。

  • 医師の診断書
  • ケガした部位の写真
  • いじめ被害を受けた子どもの日記やメモ
  • 暴力行為をしている録画や音声データ
  • 暴力行為を認めた音声データ
  • 目撃者の証言

誰が誰にどう暴力をふるったのかが分かる証拠が有効です。暴力行為の音声データであっても、「〇〇君、殴るのをやめて」など、加害者の名前が入っていると有力な証拠となります。

いじめ被害を受けた子どもの日記やメモでも、「誰に」「いつ」「どこで」「どの部位を」「どのように暴力を受けたのか」「その結果どうなったのか」など、具体的に記載されていると、証拠としての価値が高くなります。

友人や知人などによる証言は、いじめを目撃した事実について具体的に書面でまとめてもらうことが大事です。また、証言は多いほど有利になりますが、学校生活に支障をきたすことを懸念して話したがらない人が多くいます。証言を確保するためには、学校側とも協力し、粘り強く交渉しましょう。

暴言、侮辱によるいじめ

「バカ」「死ね」「デブ」「ブス」「くさい」などの暴言・侮辱による「いじめ」は、侮辱罪として罪に問えます。暴言・侮辱によるいじめの証拠となるのは、以下が挙げられます。

・暴言や会話を録音した動画または音声データ
・いじめ被害を受けた子どもの日記やメモ
・目撃者の証言

暴言・侮辱は、暴力と違って形として残りにくく「言った・言わない」の争いに発展しやすい傾向にあります。そのため、いじめの事実を証明するためにも明確な証拠を残すことが重要です。録画や音声データが証拠としてベストではありますが、目撃者の証言も有力な証拠になり得ます。

インターネット・SNS上のいじめ

インターネット上の掲示板やSNS上での悪口は、名誉毀損罪や侮辱罪として責任の追及が可能です。

いじめの証拠となるのは、「スクリーンショット」です。スクリーンショットには、書き込まれた悪口の内容と投稿者の名前(アカウント名、ユーザー名など)、日時、URLが全て映るように撮りましょう。匿名であっても、情報開示請求によって加害者を特定できる可能性があります。

以下の記事では、ネット上で悪口を書き込まれた際の発信者情報開示請求の流れについて解説しています。悪口を書いた犯人が分からない場合は、ぜひ参考にしてみてください。

内部リンク:https://tabuchi-law-office.com/column/1632/

物を隠す、壊すなどのいじめ

自分の物を隠されたり壊されたりといった嫌がらせは、器物損壊罪として罪に問えます。証拠になるのは、実際に壊された物です。壊された物を残すのが難しい場合は、写真でも問題ありません。

証拠を何も残していない場合の対応法

いじめの事実を記録として残すのは難しく、「証拠を残せなかった」という人も多くいます。しかし、有力な証拠が残せなかったとしても諦める必要はありません。なぜなら、新たに証拠を作れる可能性があるためです。

具体的には、学校にいじめの調査を依頼し、その「調査結果報告書」を証拠にする方法です。いじめ防止対策推進法第23条2項では、学校側のいじめの調査について以下のように記載されています。

「学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。」
(引用:いじめ防止対策推進法 | e-Gov法令検索:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071

学校側が調査した結果は文書に記載されます。その文書について保有個人情報の開示請求を行い、証拠にすることが可能です。調査結果報告書は第三者である学校が作成したものであるため、裁判所にも信用してもらいやすく、記載どおりの判決を期待できます。

学校に調査を依頼する際のポイントは、いじめについて学校側に望む対応を伝えておくことです。例えば、被害者側の対応には「クラスの異動」「欠席日数不算入」「教員の見張り」、加害者側の対応には「出席停止」「自宅謹慎」などが挙げられます。

いじめの証拠がない場合には、弁護士に相談を

いじめの証拠を自力で集めるのは容易ではありません。いじめを調査していることが加害者に気づかれてしまえば、状況が悪化してしまうケースもあります。また、学校に調査を依頼しても、問題をきちんと取り上げてくれなかったり、いじめの事実を誤魔化されたりする可能性も少なくありません。

いじめが発覚したら、できるだけ早く弁護士に相談するのがおすすめです。弁護士に依頼することで、適切な証拠集めのアドバイスとサポートが受けられます。また、加害者や学校、教育委員会との交渉も代行してもらえるほか、煩雑な訴訟手続も任せられます。

法律に沿った適切な損害賠償を受け、子どもの安全な教育環境を守るためにも、学校問題に精通した弁護士に一度問い合わせてみてください。

まとめ

いじめ問題を解決するには、証拠が重要です。「誰が」「誰に」「いつ」「どのようにいじめたのか」といった、いじめの事実が明確な証拠があると、学校側も具体的に対応が取りやすくなります。また、裁判ではいじめの存在自体を争うケースもあり、証拠があるかないかで結果が大きく変わります。

いじめの証拠として有力なのは、ケガをした部位の写真や録画、音声データなどです。そういった証拠を残すのが難しい場合は、学校に調査を依頼しましょう。その調査報告書を証拠にすることも可能です。

ただ、いじめ問題を自力で対応するのはおすすめしません。なぜなら、適切な損害賠償を請求したり裁判の手続をしたりするには、法律の知識が必要であるためです。子どもの安全と未来を守るためにも、法律の専門家である弁護士に相談し、法的な見解から最善の解決手段を導いてもらうのが賢明です。

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