いじめの加害者を訴えることはできる?被害者が取れる対応などを解説 |堺市の弁護士【田渕総合法律事務所】堺東駅5分

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いじめの加害者を訴えることはできる?被害者が取れる対応などを解説

「いじめ」は悪質かつ危険な行為で、ときに人の生命をも奪ってしまいます。しかしながら、いじめの発生件数は年々増加している傾向にあり、どの学校でも起こり得る身近で深刻な問題です。文部科学省の調査によると、令和4年度のいじめの発生件数は、小学校で約55万件、中学校で約11万件となっています。

自分の子どもがいじめの被害に遭っている可能性がある場合は、迅速かつ慎重な対応が必要です。この記事では、いじめの定義や具体例を紹介しつつ、いじめ被害を受けたときの対応法について解説します。

(参考:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について|文部科学省初等中等教育局児童生徒課:https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

「いじめ」の定義とは?

いじめ防止対策推進法(第2条)では、いじめの定義を以下のように記載しています。

「この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。」

(引用:いじめ防止対策推進法|e-Gov法令検索:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071_20221001_503AC0000000027

いじめであるかを判断する際に重要となるのが、被害者が「心身の苦痛を感じているか」です。加害者にとっては遊び半分の行為でも、被害者が苦痛を感じていれば「いじめ」となります。

また、休日の公園や友達の家などの学校外で行われた行為や、インターネット上でのやり取りも「いじめ」に該当するケースがあります。

どこからが「いじめ」になる?具体例を紹介

被害者が心身の苦痛を感じていれば、全て「いじめ」に当たります。典型的ないじめの例として、以下が挙げられます。

  • 悪口、からかい、冷やかし
  • 仲間はずれ、集団での無視
  • ぶつかる、叩く、蹴る
  • お金や物をたかる、盗む、壊す、捨てる
  • 嫌なことや恥ずかしいことをさせる
  • ネット上での誹謗中傷

小さい男の子同士で「プロレスごっこ」や「ヒーローの真似」など、身体的に接触する遊びをすることもあるでしょう。ただ、遊びのつもりであっても、技をかけられている人や悪役として倒される人は、苦痛を受けているかもしれません。

また、ちょっとした冗談やユーモアのつもりの発言も、言われた側が傷ついていれば「いじめ」になります。

(参考:文部科学省:https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

いじめ被害を受けたときの対応法

いじめは日に日にエスカレートする可能性があり、ときには生命をも脅かす危険な行為に発展するおそれがあります。そのため、いじめ被害を受けている場合、一刻も早い対応が重要です。しかし、誤った対応方法を取ると、かえって状況を悪化させてしまいかねません。

自分の子どもがいじめ被害を受けていることに気づいたら、まずは以下の行動を取りましょう。

学校に調査を求める

まずは学校に連絡し、「いじめ」が起きていることを伝えて調査を求めましょう。いじめ防止対策推進法第23条2項では、学校が取るいじめの対応について以下のように記載されています。

「学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。」

(引用:いじめ防止対策推進法|e-Gov法令検索:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071

学校とやり取りする際は、その内容を形として残しておくことが大切です。文書やメールでやり取りするか、口頭や電話の場合は録音するのが有効です。後から「言った・言わない」のトラブルを防ぐことにつながります。

証拠を集める

いじめ被害が裁判に発展したときのために、証拠を集めておくことが重要です。いじめは秘密裏に行われることが多いため、裁判ではいじめの存在自体を争うこともあります。いじめの証拠となり得るものには、以下が挙げられます。

  • いじめの現場を撮影した写真・動画、会話を録音した音声データ
  • 掲示板の投稿やSNSなどの悪口が書かれた画面のスクリーンショット
  • いじめによって壊された物、汚された物(写真や動画で残しておくのも有効)
  • いじめ被害を受けた子どもの日記
  • 目撃者の証言
  • 医師の診断書

いじめの証拠については以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「内部リンク:いじめ被害は証拠がなければ泣き寝入り?証拠になり得るものや対応法を解説

学校に加害者への対応を求める

調査の結果、いじめの事実が明らかである場合は、学校側に加害者への対応を強く求めましょう。いじめ防止対策推進法第二十三条4項では、いじめの対応について以下のように記載されています。

「学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。」
(引用:いじめ防止対策推進法|e-Gov法令検索:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071

また、学校側がどのように加害者に対応しているのか、その後の進捗状況などもまめに情報共有してもらうことが大切です。もし「いじめ」が止まらない場合は、いじめ加害者とその親権者、学校に対して法的措置を取りましょう。

加害児童・生徒、その保護者に対する損害賠償請求

いじめ加害者に対して、暴力を振るわれた場合は「暴行罪」や「傷害罪」、金銭を奪われた場合は「恐喝罪」などで刑事責任を追及できます。いじめ加害者の保護者に対しては、監護義務を怠ったとして損害賠償請求が可能です。

学校側に対する損害賠償請求

いじめが子ども同士だけの問題ではなく、学校側にも落ち度がある場合は「損害賠償請求」が可能です。学校は、生徒が安全に学校生活を送れるように配慮する義務があります。そのため、安全配慮義務違反として、不法行為や債務不履行に基づいた責任の追及が可能です。

国公立学校の場合は国家賠償法に基づく請求となり、学校の設置者である国や地方公共団体に対して損害賠償を請求します。私立学校の場合は、民法に基づいて学校や先生個人へ請求することとなります。

いじめ問題を弁護士に相談するメリット

いじめ問題は慎重かつ適切な対応が求められます。しかし、自分の子どもがいじめ被害を受けていると、怒りやショックの気持ちが大きくなり、冷静に対処するのは困難といえるでしょう。また、学校側との交渉や法的手続には大きな負担がかかります。

いじめ問題を適切に対処し、子どもの安全を守るためにも、弁護士への依頼を検討してみてください。ここでは、いじめ問題を弁護士に相談するメリットを3つ紹介します。

適切な証拠を集められる

いじめ被害の証拠集めは簡単ではありません。いじめの通報を受けた学校は、いじめ被害を認めなかったり、事実を隠蔽(いんぺい)したりする可能性もあります。弁護士に依頼することで、有力な証拠を集めるための実践的なアドバイスとサポートを受けられます。

学校や教育委員会との交渉を任せられる

自身で加害者や学校と交渉するのは、大きなストレスとなります。また、感情的になってしまい、トラブルが長期化・複雑化するおそれもあります。

弁護士に依頼することで、法的観点に沿って冷静に交渉を進めてもらうことが可能です。加害者に対しては、適切な補償や謝罪を請求でき、学校や教育委員会には「いじめの再発防止」について協議してもらえます。

法的手続を代行してもらえる

話し合いで解決しない場合には、法的措置を検討することとなります。ただし、損害賠償の請求や裁判手続は煩雑であり、法律の知識も必要です。

弁護士に依頼することで、煩雑な法的手続も一貫して任せられ、自身の負担を軽減できます。また、弁護士による法的根拠に基づいた請求によって、適正な損害賠償を受けられる可能性も高まります。

まとめ

自分の子どもがいじめを受けていることに気づいたら、学校に調査を依頼しつつ、証拠を集めましょう。調査でいじめの事実が明らかになった場合、学校に加害者への対応を求めることが大切です。いじめが止まらない場合は、損害賠償の請求や刑事告訴も検討してみてください。

ただ、いじめ問題を自力で解決するのは容易ではありません。いじめ被害を適切に対処し、子どもを守るためにも、一度弁護士に相談するのが賢明です。

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