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離婚に必要な別居年数は?早期離婚に必要なことを解説

夫婦関係が悪くなったとき、すぐに離婚することもあれば、別居をしながら離婚の話し合いを行うこともあると思われます。

別居した後、夫婦の話し合いで離婚に合意できれば(協議離婚)、離婚届を提出することで離婚が成立します。

他方、話し合いで離婚に合意できなければ、離婚調停を申し立て(調停離婚)、最終的には、離婚裁判を提起して(裁判離婚)、裁判所に離婚の可否を判断してもらわなければなりません。その際、調停や裁判で考慮される大きな要素の1つが、別居期間です。

では、別居している期間がどれぐらいの年数であれば、裁判所に離婚を認めてもらえるのでしょうか。

今回は、裁判所に離婚を認めてもらえる別居の年数はどれぐらいか、早期離婚に必要なことは何かなどについて、弁護士が解説します。

離婚に必要な別居の年数は?

別居期間は3年以上が理想

裁判で離婚を認めてもらえるかどうかの判断基準は、「婚姻を継続し難い重大な事由があるか」、「夫婦関係が破綻しているか(修復不可能か)」という点にあります。

別居が長年続いていれば、既に夫婦関係は破綻しているという判断になり、離婚が認められやすくなります。

しかし、裁判で離婚が認められるには、別居期間が「●年以上であること」といったような、具体的な基準はありません。

実際の裁判でも、約1年の別居期間で離婚が認められたケースもあれば、3年以上別居が続いているのに、夫婦関係を修復できる余地があるとして、離婚が認められなかったケースもあり、判断基準は、個別具体的な事案によってケースバイケースです。

裁判になれば、単純に別居の年数だけが考慮されるのではなく、次のような事情も考慮に入れられることから、事案によって結論が異なるということになります。

  • なぜ別居に至ったのかという経緯
  • 同居期間と別居期間のどちらが長いのか
  • 夫婦関係を修復するための話し合いがなされたか
  • 子どもの有無

少し古い資料ですが、法務省の「民法の一部を改正する法律案要綱」では、5年以上の別居が続けば、裁判で離婚を認めても良いという改正案が示されました。

【引用|法務省 「民法の一部を改正する法律案要綱」

平成8年から月日が経過して時代も変化していますので、現在では、約3年の別居期間で離婚を認める裁判例が増加している傾向にあります。

以上のことから、別居期間については、原則として3年以上が必要であると考えておくべきでしょう。ただし、個別の事案によっては、必要な別居期間が長くなったり短くなったりするという点には、注意が必要です。

裁判の判決が出るタイミングから逆算する

裁判で離婚を認めてもらうための別居期間は3年以上が理想ですが、この年数は、裁判所が判決を出すタイミングでの年数であるということに気を付けなければなりません。

離婚を裁判で争った場合、判決が出るまでの審理期間の平均は、約20か月(約1年8か月)であるとされています。

【引用|最高裁判所 「人事訴訟事件の概況-令和4年1月~12月-」

そして、離婚裁判を提起するには、その前に調停を申し立てなければならず、調停の審理期間の平均は、約7か月とされていますので、裁判とあわせれば、平均で約27か月(2年3か月)かかるということになります。

【引用|最高裁判所 「令和4年 司法統計」

このことからすれば、別居期間が約9か月を経過した頃から調停を申し立てたりして裁判手続を開始すれば、判決をもらう頃には約3年が経過していることになる、というスケジュールが見込めることになります。

別居年数が経過していても離婚できないケース

別居年数が3年以上経過していても、裁判で離婚が認めてもらえないケースがあります。

その典型的なものは、離婚を請求している人が有責配偶者であるというケースです。

有責配偶者とは、不倫やⅮⅤを行って離婚原因を作り、夫婦関係を破綻させた配偶者のことをいいます。

自分から夫婦関係を破綻させておいて、離婚を請求するというのは、信義に反する行為ですので、有責配偶者からの離婚請求は認められないのが原則です。

ただし、例外的に、有責配偶者からの請求であっても、以下の3つの要件を満たせば、離婚が認められる可能性もあり得ます。

  • 夫婦の年齢や同居期間との対比からみて、相当長期間の別居があったこと
  • 夫婦の間に未成年の子供がいないこと
  • 配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に過酷な状態におかれないこと

別居で注意すべきこと

有責配偶者からの離婚請求以外にも、別居をするに当たって注意すべき点があります。

これへの対応を誤ると、有責配偶者からの離婚請求と同じように、裁判所に離婚を認めてもらえなくなるおそれがあります。

以下、別居前と別居後に分けて、注意点をお伝えします。

これから別居をする予定の場合

無断で別居を開始しない

夫婦は、同居する義務があると定められていますので、正当な理由がないにもかかわらず同居しない場合には、離婚原因をつくった有責配偶者であると扱われるおそれがあります。

そのため、別居を開始するに当たっては、無断で出て行くのではなく、配偶者の同意を得た上で別居を開始することが望ましいといえます。

家庭内別居や単身赴任は、原則として別居と認められない

家庭内別居は、外形的に見れば、同じ家で同居していると見えますので、いつから実質的に別居が開始したのかという時期が不明確です。

したがって、裁判では、家庭内別居の期間は、別居期間に含まれないケースが多くなっています。

そのため、離婚をする決意が強いのであれば、家庭内別居という方法は避けて、正式に別居する必要があります。

これとの関係で、いくら別の家で別居していたとしても、数軒隣の家に住み、日常的に交流していたり、別居後も密に連絡を取っていたりしている場合にも、実質的には別居ではないと扱われるおそれがあります。

したがって、別居後は、基本的には、離婚についての話し合いや、財産分与・面会交流などの条件面の話し合いだけにとどめておく方が適切といえます。

また、単身赴任をきっかけに別居を開始するというケースもありますが、これも、別居として扱ってもらえない可能性があります。

単身赴任は仕事の都合による別居ですので、離婚を前提とした別居とは大きく異なるからです。

したがって、単身赴任をきっかけに、離婚を前提とした別居を開始する場合には、メールや手紙などで、これ以降は離婚を前提とした別居を開始するということを通知し、証拠として残しておくようにすべきです。

既に別居を開始している場合

生活費の請求を忘れない

別居中であっても、夫婦であることに変わりありませんので、扶養義務を負います。

そのため、収入の少ない配偶者は、収入が多い配偶者に対して、婚姻費用(生活費)の支払を請求することが可能です。

お伝えしたように、裁判で離婚が認められるまでには、少なくとも3年の別居が必要となりますので、その間の生活を維持するために、別居後の婚姻費用の請求を忘れないように注意しなければなりません

まとめ

堺東駅から徒歩5分の当事務所では、離婚・男女問題を幅広く取り扱っております。

弁護士への相談という一歩を踏み出すには勇気が必要ですが、一人で抱え込むには限界がありますし、動き出すタイミングが早ければ早いほど、選択肢や可能性が広がることが少なくありません。

初回相談は無料で実施しており、契約前には見積書を作成して費用を明示し、方針や費用について十分に理解いただくように努めております。
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離婚でお悩みの際には、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

田渕 大介弁護士 (大阪弁護士会所属)

TABUCHI DAISUKE

◆ 略歴
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2004年 防衛大学校 中退
2009年 大阪市立大学法学部 卒業
2014年 司法試験予備試験合格
2016年 大阪弁護士会登録(69期)

<所属>
大阪市立大学(現在の大阪公立大学)法学部 非常勤講師
大阪市立大学ロースクール アカデミックアドバイザー
大阪市立大学 有恒法曹会
大阪弁護士会 行政問題委員会、行政連携センター

<資格>
弁護士
行政書士
教員免許(中学社会・高校地歴公民)

<著書>
「生徒の自殺に関する学校側の安全配慮義務違反・調査報告義務を理由とする損害賠償請求事件」(判例地方自治469号掲載)
「行政財産(植木団地)明渡請求控訴事件」(判例地方自治456号掲載)

<学会発表>
「改正地域公共交通活性化再生法についての一考察-地域公共交通網形成計画に着目して-」(公益事業学会第67回大会)

◆ ホームページ
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