DVの証拠の集め方|慰謝料請求や離婚を有利に進めるには?
DV・モラルハラスメント不倫・DVの慰謝料DV(ドメスティック・バイオレンス)を受けた場合、適切な証拠を集めることが、慰謝料請求や離婚手続きを有利に進めるうえで欠かせません。しかし、DVの被害は家庭内で行われることが多く、証拠を残しにくいのが現実です。
また、「どのような証拠が必要なのか」「どうやって集めればよいのか」といった悩みを抱えている方も多くいるでしょう。
この記事では、DVの証拠となるものや証拠収集の注意点について解説します。あなたの未来を守るためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
DVの証拠が重要な3つの理由
DVの解決において、被害を訴えるだけでは、加害者に対する法的措置や適切な支援を受けるのが難しい場合があります。そのため、DVの証拠を確保することが重要です。ここでは、DVの証拠が重要な3つの理由について解説します。
DVやモラハラとは何かという点については、以下の記事を参考になさってください。
参考記事:DV・モラルハラスメント – 堺市の離婚・不貞慰謝料請求を弁護士に相談
慰謝料を請求するため
DVの被害を受けた場合、加害者に対して慰謝料を請求できます。慰謝料は、被害者が受けた精神的・身体的苦痛に対する賠償として支払われるもので、DVにおける慰謝料相場は50万〜300万円ほどです。
しかし、慰謝料請求には「DVが実際にあった」という事実を証明する必要があり、証拠がなければ請求が認められにくくなります。
DVを理由として慰謝料を請求する場合の詳細については、以下の記事を参考になさってください。
参考記事:不倫・DVの慰謝料 – 堺市の離婚・不貞慰謝料請求を弁護士に相談
離婚を成立させるため
DVが原因で離婚を考える場合、証拠が重要になります。協議離婚であれば双方の合意があれば成立しますが、加害者が離婚を拒否する場合や、裁判離婚を選択する場合には、証拠が必要です。
民法では、離婚の理由として「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法770条1項5号)が認められています。DVはこの「重大な事由」に該当し、証拠があれば裁判での離婚が認められるケースがほとんどです。また、親権争いにおいても、DVの証拠があれば、裁判所が被害者側を有利に判断する可能性が高くなります。
離婚の手続と同時に慰謝料を請求するための方法については、以下の記事を参考になさってください。
犯罪として警察に捜査してもらうため
DVは犯罪行為であり、加害者は刑事責任を問われる可能性があります。しかし、警察に相談しても、証拠がなければ対応してもらえないことも少なくありません。特に、加害者が「そんなことはしていない」と否認した場合、被害者の証言だけでは警察が動きにくいのが現状です。
警察にDVの被害を訴える際には、具体的な証拠を提示することが重要です。例えば、暴力を受けた際の写真や医師の診断書、暴言の録音データ、目撃者の証言などがあれば、警察も本格的な捜査に乗り出しやすくなります。
また、証拠がそろっていれば「配偶者暴力防止法」に基づく保護命令を裁判所に申請することも可能です。保護命令が発令されると、加害者は被害者への接近や連絡を禁止され、違反した場合は刑事罰が科されます。
DVの証拠となるもの
DVの証拠となるものは、写真や録画、SNSのメッセージ、病院の診断書など、いくつかあります。複数の証拠を組み合わせると強力な証拠になりますが、無理して集めようとせず、まずは身の安全を最優先してください。ここでは、DVの証拠となるものについて解説します。
写真、録音、録画
DVの被害を証明するために、写真や録音、録画は有効です。例えば、身体的DVの場合、暴力によってできた傷やあざの写真を撮影することで、被害の程度を客観的に示せます。顔や腕、脚などにできた傷だけでなく、壊れた家具や散乱した部屋の様子を記録することも重要です。
また、暴言や脅迫の言葉を録音・録画することで、精神的DVの証拠としても活用できます。録音や録画は、加害者が暴力を否定した場合でも客観的な証拠として機能し、裁判での証拠能力が高いとされています。
SNSのメッセージ、メール
精神的DVや経済的DVの場合、直接的な暴力がなくても、加害者の支配的な言動を示す証拠が必要になります。SNSのメッセージやメールは、加害者の脅迫的な発言や精神的圧力を明確に示す証拠となり得ます。
例えば、「お前には生活費を渡さない」「出て行ったら殺す」などのメッセージが残っていれば、相手の暴力的な態度を示す有効な証拠です。
また、経済的DVのケースでは、「勝手にお金を使うな」「クレジットカードは没収する」などのメッセージが、支配的な経済管理の証拠になります。これらのメッセージを保存し、スクリーンショットとして記録することで、証拠としての価値が高まります。
警察や公的機関への相談記録
DVの被害を受けた際、警察や公的機関(配偶者暴力相談支援センター、市区町村の相談窓口など)に相談すると、その記録が残ります。警察に通報した場合、「被害届」や「相談記録」として残り、これが後の法的手続きにおいて重要な証拠となります。
相談時には、できるだけ詳細な被害状況を伝え、加害者の暴力の頻度や内容を記録してもらうことが大切です。また、公的機関ではカウンセリングの記録や、支援措置を受けた記録も証拠として活用できます。こうした公的な記録は、裁判所での証拠能力が高く、DVの深刻さを示すものとして重要視されます。
病院の診断書
DVによる怪我や精神的ダメージがある場合、病院で診察を受けて診断書を作成してもらうことも有効な証拠となります。例えば、殴られた際の打撲や骨折、精神的DVによるストレスやうつ病の診断結果などです。
診断書には、受傷の状況や医師の見解が記載されるため、DVによる被害の客観的な証明となります。特に、身体的DVの場合、怪我の写真と診断書をセットで提出すると、より強力な証拠となります。
第三者の証言
同居している家族や子ども、近隣住民、職場の同僚などの証言も、DVの証拠として有効です。DVは家庭内で起こることが多いため、第三者の証言があることで、被害の信憑性が高まります。
例えば、「近所の人が叫び声を聞いていた」「同僚がDVによる怪我を見た」「子どもが親の暴力を目撃していた」などの証言があれば、裁判でも強い証拠となります。証言は、書面に残してもらうか、公的機関で証言を記録してもらいましょう。
メモ、日記
DV被害の内容や日時を記録したメモや日記も証拠として有効です。写真や診断書ほどの証拠能力はありませんが、DVの継続性や被害の詳細を示す補強材料となります。
例えば、「〇月〇日:夫に殴られ、頬にあざができた」「〇月〇日:生活費を渡されず、食事も満足に取れなかった」など、具体的な出来事を記録しておくと、証拠としての価値が高まります。できるだけ詳細に、日付とともに記録することが重要です。
預金通帳や家計簿
経済的DVを証明するために、預金通帳や家計簿、クレジットカードの取引履歴なども証拠となります。例えば、加害者が生活費を一切渡さない、勝手に口座からお金を引き出している、クレジットカードを制限しているなどの状況を記録できます。
家計簿には、収入と支出の詳細を記録し、どのように経済的に支配されているかを示すことが重要です。これらの記録があれば、加害者の経済的DVを立証しやすくなります。
証拠集めの注意点・ポイント
DV被害の証拠を集めることは、法的手続きを進めるうえで重要ですが、方法を誤ると危険を伴う場合があります。ここでは、証拠集めの際に気をつけたいポイントについて解説します。
証拠を集める際に自分の安全を最優先する
無理に証拠を確保しようとすると、相手を刺激し、暴力がエスカレートするリスクもあるため、慎重に行動しましょう。例えば、DVの証拠として暴言や暴力の動画・音声を記録する際、相手の前でスマートフォンを構えると危険です。
そのため、ボイスレコーダーをポケットに忍ばせる、スマートフォンの録音アプリを密かに起動させるなど、目立たない方法を選びましょう。
相手に気づかれないように慎重に行動する
確保した証拠は相手に気づかれないように保管しましょう。証拠が見つかると加害者が証拠を破棄したり、さらなる暴力を加えたりする危険性もあります。
証拠をデジタルデータとして保管する場合、パスワードを設定し、加害者にアクセスされないようにすることが大切です。録音データやスクリーンショットは、信頼できる友人や支援団体に送信し、自分の端末に残さない工夫をすることで、リスクを最小限に抑えられます。
DV被害で悩まれている場合は弁護士に相談するのがおすすめ
DV被害を、ひとりで解決するのは困難です。加害者からの暴力や精神的圧力が続くことで、冷静な判断ができなくなることもあります。そのため、早めに弁護士に相談するのが賢明です。
弁護士は、証拠の集め方や法的手続きについて適切なアドバイスを提供し、被害者の安全を確保しながら問題を解決へと導きます。ここでは、弁護士に相談するメリットを3つ紹介します。
証拠集めのサポートを受けられる
離婚・男女問題の経験が豊富な弁護士は、証拠集めのノウハウを熟知しています。離婚裁判や慰謝料請求を見据えて、法的に有効な証拠が何か、どのように集めればよいのかをアドバイスしてくれます。また、警察や裁判所への訴えもスムーズに進めることが可能です。
有利に慰謝料請求を進められる
有効な証拠を確保しても、法律の知識が不足していたり、交渉がうまく進まなかったりすると、適正な慰謝料を得ることが難しくなります。弁護士に依頼すれば、DVの程度や被害の大きさに応じて、妥当な慰謝料の金額を算出してくれます。また、慰謝料請求の手続きや交渉もすべて任せることが可能です。
相手と顔を合わせずに交渉や離婚手続きを進められる
DV加害者と直接やり取りをすることは、被害者にとって大きな負担になります。しかし、弁護士に依頼すれば、加害者と直接顔を合わせることなく交渉や手続きを任せられるため、精神的な負担を軽減できます。
慰謝料や財産分与、親権問題などの交渉を弁護士が代行することで、有利な結果が得やすくなる点もメリットです。
また、離婚調停や裁判などの手続きを弁護士が担当するため、被害者は出廷の必要がほとんどなくなります。家事や仕事が忙しい人でも、安全を確保しながらスムーズに離婚へと進めます。
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まとめ
DVの証拠を適切に集めることで、慰謝料請求や離婚手続きを有利に進められます。録音や写真の記録、医師の診断書、第三者の証言など、さまざまな方法を活用し、確実な証拠を残しましょう。
証拠を集める際は自身の安全を最優先にすること、相手に気づかれないようにすることが大切です。また、自身でDV被害を解決するのは困難なケースが多いため、弁護士への相談もご検討ください。
◆ 略歴
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2004年 防衛大学校 中退
2009年 大阪市立大学法学部 卒業
2014年 司法試験予備試験合格
2016年 大阪弁護士会登録(69期)
<所属>
大阪市立大学(現在の大阪公立大学)法学部 非常勤講師
大阪市立大学ロースクール アカデミックアドバイザー
大阪市立大学 有恒法曹会
大阪弁護士会 行政問題委員会、行政連携センター
<資格>
弁護士
行政書士
教員免許(中学社会・高校地歴公民)
<著書>
「生徒の自殺に関する学校側の安全配慮義務違反・調査報告義務を理由とする損害賠償請求事件」(判例地方自治469号掲載)
「行政財産(植木団地)明渡請求控訴事件」(判例地方自治456号掲載)
<学会発表>
「改正地域公共交通活性化再生法についての一考察-地域公共交通網形成計画に着目して-」(公益事業学会第67回大会)
◆ ホームページ
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【ココナラ法律相談】
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