いじめ被害は弁護士が介入すると解決する?依頼するメリットや注意点を紹介
いじめいじめの証拠いじめ被害者側いじめ被害に遭った際の相談先はいくつかありますが、法的責任を追及するためにも弁護士への相談がおすすめです。弁護士に依頼することで、「証拠集めのアドバイスがもらえる」「加害者との交渉や法的手続きを任せられる」などのメリットがあります。
この記事では、いじめ被害で悩んでいる方に向けて、弁護士に依頼するメリットや注意点、解決の流れを紹介します。
目次
いじめ被害に遭ったら一刻も早く法的責任を追及することが重要
自分の子どもがいじめ被害を受けている場合は、一刻も早く対応しましょう。いじめへの対処が手遅れになると、うつ病や社会生活からの離脱、自殺を招いてしまう危険性があります。
いじめは被害者の人権を踏みにじる不法行為で、加害者や加害者の親、学校や学校設置者(教育委員会)に対して損害賠償請求が可能です。また、「暴力」「物を壊す」など、いじめの内容が犯罪行為に該当するケースもあり、刑事告訴も可能です。
なお、いじめ被害への対応全般については、以下の記事もご参考になさってください。
内部リンク:いじめの加害者を訴えることはできる?被害者が取れる対応などを解説
いじめ被害を自力で解決するのが難しい3つの理由
いじめ被害に対し、被害者やその保護者が自力で解決することは困難です。ここでは、その理由について解説します。
証拠の確保が難しいため
いじめは通常、人目のつかない隠れた場所で実行されることから、裁判になれば、いじめの存在自体を争うケースも少なくありません。
したがって、裁判で勝訴するには、いじめを受けた証拠が必要です(証拠がなく、泣き寝入りを余儀なくされるケースもあるのが現実です)。また、刑事告訴する場合でも、証拠がなければ警察は動いてくれません。
とはいえ、自力で証拠を集めるのは難しいといえます。方法を誤れば、証拠を確保できなくなってしまう可能性もあるでしょう。また、いじめの種類によって必要となる証拠が変わってくる点も、注意が必要です。
なお、いじめ被害での証拠についての詳細な解説は、以下の記事をご覧ください。
いじめ被害は証拠がなければ泣き寝入り?証拠になり得るものや対応法を解説
学校側がいじめの事実を隠そうとするケースがあるため
いじめが発覚すれば、学校や学校設置者(教育委員会)にも法的責任を追及できるケースがあります。
ゆえに、学校側はいじめの調査に消極的になったり、いじめの事実を隠蔽したりするケースも少なくありません。そうなると、いじめ問題の解決は一層困難になります。
法律の知識がないと適切な請求ができないため
いじめ問題の加害者にきちんと反省してもらい、学校側にも同じ問題を起こさせないよう努めてもらうためにも、適切な損害賠償を請求することや謝罪を要求することが重要です。
しかし、法律の知識がないと「誰にどのように請求すればよいのか」「適切な請求額がいくらなのか」と悩んでしまうでしょう。
いじめ被害|弁護士が介入するメリット
いじめ問題を適切に対処するには法律の知識が必要であることから、弁護士に任せるのが賢明です。ここでは、いじめ問題に弁護士が介入するメリットを3つ紹介します。
法的に有効な証拠を集めやすくなる
いじめ問題に精通した弁護士は、いじめの種類や被害の状況から、必要となる証拠を分析できます。弁護士に依頼することで、有力となる証拠集めが難しい場合でも、学校にいじめの調査を依頼し、その「調査結果報告書」を証拠にするなど、状況に合ったアドバイスやサポートをしてもらえます。
加害者や学校側とのやり取りを任せられる
加害者や学校側とのやり取りを自身で行うのは、大きなストレスとなります。自分の子どもがいじめに遭った事実から、怒りなどで冷静に話し合いが進められない可能性も少なくありません。感情的になってしまうと、問題が長期化・複雑化してしまうおそれがあります。
弁護士に依頼すれば、加害者や学校側との対応を任せることが可能です。弁護士が窓口になって対応することで、被害者や保護者は加害者と直接顔を合わせる必要がなくなります。
弁護士が法的観点に沿って冷静に交渉を進めることで、スムーズな解決にも期待できます。また、交渉だけでなく複雑な裁判手続きも任せられるため、自身の負担を大幅に軽減できる点もメリットです。
法的根拠に基づいて刑事告訴や損害賠償請求が可能となる
法律の知識がないと、適切な損害賠償を請求するのは難しいといえます。例えば、いじめの慰謝料を算定する際は、いじめを受けた回数や期間、加害者との関係性、被害の状況などを考慮しなくてはなりません。
弁護士に依頼することで、事件に応じた適切な損害賠償請求が可能です。刑事責任を追及する場合も、弁護士に告訴状の作成を任せられます。
いじめ被害|弁護士が介入して解決するまでの流れ
いじめ問題を弁護士に相談した際、どのような流れで解決へと向かうのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、弁護士が介入して解決するまでの流れを大きく4つのステップに分けて解説します。
いじめの実態について学校側に調査を申し入れる
まずは、弁護士からいじめの事実について学校側に調査を申し入れます。いじめ防止対策推進法第23条2項では、学校側は調査の申し入れを受けた際に、速やかに応じる義務があると明記しています。
「学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。」
(引用:いじめ防止対策推進法|e-Gov法令検索:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071)
ただし、いじめの調査には多くの期間を要する場合があります。その間もいじめが継続される可能性は高く、子どもは安心して学校に通えません。
そのため、田渕総合法律事務所では、いじめ調査と同時に子どもの安全な環境を守ることにも力を入れています。
例えば、「学校側に見守り教員の配置を求める」「家庭でオンライン授業を受けられるようにする」などの対応をし、子どもの心身と教育環境を守ります。
法的責任の追及①:内容証明郵便の送付、示談交渉
加害者や学校側に対して、法的責任を追及します。まずは弁護士名義の内容証明郵便を送付します。内容証明郵便とは、郵便物の内容を証明する郵便サービスのことです。
内容証明郵便を利用することで、「いつ」「誰が」「誰に」「どのような内容の文書を」送付したかが記録として残り、「言った・言わない」のトラブルを防げます。
内容証明郵便には、いじめを直ちに止めることや、いじめによって受けた損害への賠償について、謝罪の要求などを記載します。弁護士名義で内容証明郵便を送付することで、相手方に心理的プレッシャーを与えることが可能です。
内容証明郵便を送付した後の対応は、相手方のリアクションによって異なります。話し合いの場が設けられ、示談交渉へと進む場合もあれば、内容証明郵便を無視してくるケースも少なくありません。
示談交渉によって双方が条件に納得すれば、弁護士が示談書を作成して示談成立となります。示談交渉がまとまらない場合には、次項で説明する「調停」や「訴訟」へと進みます。
法的責任の追及②:調停
交渉がまとまらない場合は民事調停を申し立てます。調停は、裁判所が間に入って話し合いを進める手続きです。話し合いがまとまれば、調停調書が作成され、法的拘束力が生じます。とはいえ、民事調停への出席は自由であることから、相手方が応じないケースも少なくありません。
双方の合意が得られなかったり、相手方が出席しなかったりした場合、あるいは、対立が大きすぎて話し合いの余地がないことが明らかな場合などには、次項で解説する「訴訟(裁判)」へと移行します。
法的責任の追及③:訴訟(裁判)
示談交渉や調停でも話がまとまらない場合には、裁判を起こして強制的に解決を図ります。裁判では、裁判官が法廷にて当事者双方の主張を聞き、証拠などを踏まえて最終的な判決を下します。
相手が責任を認めない場合でも、白黒つけられる点がメリットです。
いじめ被害を弁護士に依頼する際の注意点
いじめ被害について弁護士に相談するのは得策ですが、注意したい点があります。以下の2つの注意点を押さえた上で、弁護士への依頼を検討してみてください。
弁護士費用がかかる
弁護士に依頼すれば、相談料や着手金、報酬金などがかかります。例として、田渕総合法律事務所の弁護士費用を紹介します。
相談料 |
初回無料(30分) 2回目以降は、30分につき5,500円 |
着手金 |
依頼前に見積書を作成しご説明します。想定外の費用が発生することはありません。 【加害者への警告文の発送(交渉を行わないもの)】 11万円~ 【学校や加害者との交渉の場合】 22万円~ 【訴訟・調停・行政手続の場合】 33万円~ |
報酬金 |
経済的利益の17.6%~ 執行停止・仮の義務付け・処分の取消しなど、経済的利益に換算できない場合、33万円~ |
備考 |
上記は税込表記です。 いじめ・学校、行政事件は特殊なケースが多いため、上記は目安としてお考え下さい。 具体的な費用は、お話をお伺いした後、見積書を提示してご説明します。 |
いじめ被害に精通した弁護士を選ぶ必要がある
いじめ被害を適切かつスムーズに対処するためには、弁護士選びが重要です。とはいえ、いじめ問題は特殊な分野であり、扱っている弁護士もそれほど多くいません。
また、どのようにして弁護士を選んだらよいのか悩む人もいるでしょう。弁護士選びに時間がかかってしまうと、いじめ問題への対応が遅れてしまう可能性があるため注意が必要です。
弁護士を選ぶ際は、「いじめ問題を解決した実績があるか」「弁護士としての十分なキャリアがあるか」「信頼できそうか」といった点を重視してみてください。
田渕総合法律事務所は「いじめ被害」の解決実績が豊富
大阪府堺市の堺東駅から徒歩5分の場所に位置する田渕総合法律事務所は、いじめ問題の解決実績が豊富にあります。Web面談も実施しているので、遠方の方もお気軽にご相談ください。
学校側の立場を熟知|徹底的に責任追及します
当事務所の代表弁護士である田渕は、弁護士になる前後を通し、自治体(関西の大規模自治体)職員として10年以上勤務していました。子どものいじめ・不登校、体罰・自殺問題に携わっていた経験があるため、行政側・学校側の考え方や対応の仕方が分かります。
学校側が不誠実な対応に終始する場合でも、粘り強く責任を追及いたします。子どもが安全に過ごせる環境を守りますので、安心してご相談ください。
お気軽にご相談ください
いじめ被害で悩まれている方が気軽に弁護士へ相談できるよう、初回相談では、相談者さまのお話を丁寧にお伺いした上で、解決の見込みや弁護士費用などを分かりやすくご説明します。
事前にご予約いただければ、平日夜間や土日も対応可能です。また、Webからの問合せは24時間受け付けております。
まとめ
いじめは、不法行為として加害者や学校設置者に法的責任を追及できます。とはいえ、法律の知識がないと適切な損害賠償を請求するのは難しいため、弁護士に相談するのが得策です。
弁護士に相談することで、証拠集め、いじめの調査、法的責任の追及、再発防止策の提言まで、一貫して対応してもらえます。いじめ被害に遭ったら、お早めに弁護士への相談をご検討ください。