いじめ被害に弁護士が介入した後の事件の進め方 |堺市の弁護士【田渕総合法律事務所】堺東駅5分

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いじめ被害に弁護士が介入した後の事件の進め方

子どもがいじめの被害にあったとき、まずは学校の先生に相談する方が大半と思われます。多くのケースでは、学校の先生が加害児童に指導や注意をしてくれて、様子を見ることが多いのではないでしょうか。

しかし、なかには、弁護士が介入し、加害児童側や学校との間の交渉を弁護士が窓口となって進めていくケースも存在します。

この記事では、どのようなケースで弁護士の介入が選択されているのか、弁護士が介入した後の事件処理はどのように進むのかなどについて、弊所での取り扱い例を踏まえてお伝えします。
 

弁護士が介入するいじめ被害とは

保護者が弁護士の介入を希望するケースは、以下のものが多いように感じられます。

⑴加害児童が謝罪しない、又は、いじめを繰り返すケース

加害児童が謝罪など誠実な対応をしないケースや、学校の指導にも従わず長期間にわたっていじめを繰り返すケースなどでは、子どもを守るために、弁護士の介入を選択することが多いように見受けられます。

⑵被害児童が不登校になるなどの重大な被害が生じているケース

いじめによって不登校になったり、自殺したりするなど、重大な被害が生じたケースでも、弁護士の介入を選択することが多いです。
このほか、物を隠される・壊される、殴ったり蹴られたりする、SNS上に望まない画像や内容が出回っているというケースでも、同様の傾向にあります。

⑶学校の対応に不満があるケース

いじめもそうですが、それ以外にも、学校の対応にも不満があり、両者が相まって大きな被害・不満へとつながっているケースでも、

 

弁護士が介入した後のいじめ事件の処理の流れとは

以下では、先ほど紹介したケース別に、弁護士による事件処理の流れをご紹介します。ただし、以下で紹介するのは、あくまでも一般的な内容であり、実際の事件処理の方法は、事案ごとのオーダーメイドでそれぞれ異なること、ご理解ください。

⑴加害児童が謝罪しない、又は、いじめを繰り返すケース

このようなケースでは、「いじめをやめさせる」ことを目標とするのか、「白黒つけて責任を取らせる」ことを目標とするのか、大きく分けて2つが考えられます。

①「いじめをやめさせる」ことが目標の場合

まずは内容証明を送付して警告することも方法として考えられます。また、それだけでは誠実に対応しないだろうと見込まれる場合には、民事調停を申し立てて、裁判所で話し合いを行うことも考えられます。このほか、部活中のいじめであれば、学校だけでなく、体育連盟や各競技団体などにも相談を入れて、加害児童を牽制することも検討します。
なお、報復が怖いというような場合には、加害児童と直接対立する構図で進めるのではなく、たとえば、学校に対して、いじめ防止対策推進法23条3項4項に基づき、加害児童に対する「指導」を求めていく(すなわち、学校に矢面に立ってもらうように差配する)という方法もあり得るところです。

②「白黒つけて責任を取らせる」ことが目標の場合

この場合には、学校を通して保護者間での話し合いがもたれ、それでも解決していないということが少なくありませんから、当初から訴訟を提起することが多いように思われます。
こうなったときには、最初の法律相談の時点から、どのような証拠があるかをお聞きし、証拠がなければ、学校に相談した際の資料を探してもらったり、それもなければ保有個人情報開示請求を行ったりして証拠を収集していくこととなります。

⑵被害児童が不登校になるなどの重大な被害が生じているケース

このケースでは、取り得る方法が複数ありますので、どの方法が適切であるかを検討していきます。

具体的には、既に証拠が豊富にある場合には、訴訟を提起します。他方、証拠がない場合には、保有個人情報開示請求を行い、そこで開示された文書だけで十分となれば、その時点で訴訟を提起します。保有個人情報開示請求で開示された文書だけでは証拠として弱いときには、重大事態として学校側に調査を申し入れ、第三者委員会による調査を実施してもらい、その調査結果報告書を証拠として訴訟を提起します(この場合には、訴訟提起までに1年以上を要することも珍しくありません。)。

なお、過去の事例では、本来は重要事態として第三者委員会を立ち上げて調査すべきであったにもかかわらず、(故意によるものか認識不足・過失によるものかはわかりませんが)重大事態としての取扱いを行っていなかったというケースも散見されますので、学校の対応が法令どおりなされている(なされていた)かどうかのチェックも必要です。

また、加害児童のいじめが犯罪に当たる場合には、刑事事件(少年事件)として告訴を行うことも検討する必要があります。

⑶学校の対応に不満があるケース

この場合には、まずは、加害児童と学校のどちらを責任追及の相手方とするか(又は双方とも相手方とするか)という点から検討を開始します。

加害児童への責任追及は、証拠があれば進めることが容易なのですが、学校の責任を追及するには、「法律上・・・をすべきだったのに怠った」「そのせいでいじめ被害が継続・拡大して損害を受けた」ということを、証拠とともに主張しなければなりません。

我々が学校から入手できる文書は、基本的には保有個人情報開示請求で開示される文書だけですので、そもそも、学校がどのようなプロセスを経てどのような対応をしたのかという点について、あくまでも想像の域を出ないまま訴訟を提起せざるを得ないことも少なくありません。

こういったケースでは、いじめ自体もそれほど重いものではない、学校の落ち度も初動対応を誤っただけである、そうであるにもかかわらず、少し歯車がかみ合わなかったせいで、ズルズルと自体が重大化してしまったという、どちらに責任追及すべきとも一概には決め難いケースもあることに注意が必要です。
 

いじめ被害を弁護士に依頼するに当たって注意すべき点

いじめ被害によって自殺した、後遺症が残ったという場合には、裁判所でそれを認めてもらうことができれば、慰謝料は相当な額になることが見込まれます(ただし、いじめと自殺・後遺症などとの因果関係があるという点の立証が、難しいことが少なくありません。)。

しかし、そうではないケースでは、たとえ不登校に陥っていたとしても、得られる慰謝料の額は、さほど大きくないことも少なくありません。

こうしたことから、いじめ被害を弁護士に依頼する場合には、費用の点での検討にも注意が必要といえます。
 

まとめ

大阪府堺市の堺東駅から徒歩5分にある田渕総合法律事務所は、初回相談では、それぞれの事案を詳細にお聞きし、上記でご紹介したことのほか、弁護士が介入した後のことについて、詳細にご説明をしております。事前にご予約いただければ、休日や夜間の法律相談も可能です。
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