調停離婚
離婚には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つがあります。
今回の記事では、調停離婚について、解説します。
調停離婚とは
離婚は、基本原則として夫婦間の当事者同士で決めるべきものです。
夫婦間で合意された離婚を協議離婚といいます。
ですが、離婚においては、決めるべきことがたくさんあり、なかなか合意に至らないこともよくあります。
その場合に利用されるのが、調停という制度です。
日本の国では、離婚の合意ができなかった場合に、裁判所に離婚を訴えることもできるのですが、離婚訴訟の前には必ず離婚調停を申し立てる必要があります。
これを調停前置主義といいます。
この原則があるため、夫婦間での離婚について合意ができなかった場合や、相手の意思がはっきり確認できない場合など、協議離婚が成立しない場合は、まず調停を申し立てることになります。
調停を申し立てる裁判所
では、調停離婚において、調停する裁判所はどこの裁判所になるのでしょうか。
調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所が管轄となります。
ここでいう相手方とは、調停を申し立てられた側のことになります。
たとえば、夫と妻が別居しており、夫が東京、妻が大阪に住所があるとします。
このとき、妻側が離婚調停の申し立てを行う場合、管轄の家庭裁判所は、夫の住所地である東京の家庭裁判所となります。
ただし、夫と妻が合意できれば、大阪の家庭裁判所を管轄することも可能です。
夫婦間で合意する場合は、合意で定めた家庭裁判所を管轄とすることができ、合意できないのであれば、調停を申し立てた相手側の家庭裁判所が管轄裁判所となります。
また、遠方での家庭裁判所の調停手続きは、当事者にとって大変な負担になるため、近年では、電話会議やテレビ会議等のシステムを利用することで、遠隔地の家庭裁判所に出頭することなく手続きを進めることができるようにもなっています。
別居等をしており、相手方が遠方にいる場合、こういったシステムを利用することが可能です。
調停の申し立て内容
離婚調停の申し立てでは、離婚そのものを求めることを申し立てることもできますが、それ以外の内容についても申し立てることが可能です。
たとえば、離婚するにあたって、未成年の子供がいる場合、親権者を定める必要があるのですが、離婚そのものには夫婦間で合意ができていても、親権者について合意ができないというような事例もあります。
このようなときにも、親権者を定めることについて、調停を申し立てることができます。
また、親権者以外にも、養育費の支払い、財産分与、年金分割、慰謝料の支払い等、離婚にあたって、決めておくべき事項についても、調停で決めてもらうように申し立てることができます。
調停委員会
調停は、調停委員会を交えた上での夫婦双方との話し合いによって行われます。
調停委員会は、夫婦双方から順番に、それぞれの事情や離婚にあたって要求する内容等の聞き込みを行います。
また、一方の当事者の言い分を相手に伝え、相手の言い分をもう一方の当事者に伝えます。
加えて、調停委員会は、第三者としての客観的立場から、また法的観点からみた意見等を当事者に述べることもあります。
その後、当事者間での話し合いによって、離婚するか、しないのか、あるいは離婚するにあたって、どのような内容の取り決めを行うのかを協議し、最終的に申立事項の結論が成立するように進められます。
夫婦間で、申立事項についての合意が成立した場合、家庭裁判所によって、調停調書が作成されて調停が成立し、この調停成立の日に離婚が成立します。
調停離婚が成立した場合、調停成立の日から10日以内に市役所等に調停調書の謄本とともに離婚届けを提出する必要があります。
逆に、調停を繰り返しても、当事者間で申立事項の合意について成立する見込みがない場合は、調停は不調として終了します。
調停離婚が不調によって終了した場合には、協議離婚が成立せず、調停離婚も成立しなかったことになりますので、裁判離婚に移行することになります。
離婚調停での資料
離婚調停の際には、お互いに様々な資料を提出することになります。
それぞれに言い分があり、自身の主張を裏付ける資料等を提出することになります。
調停委員会は、双方の意見を聞くとともに、当該資料等からも様々な判断を下していきますので、どういった資料がそろえられるかも重要なことになってきます。
ちなみに、家事調停手続きは、非公開が原則となっていますので、それら資料が外部に漏れることはありません。
また、調停が不調に終わり、離婚訴訟に移行した場合でも、離婚訴訟は離婚訴訟で別に資料等を提出する必要がありますので、調停離婚で用いられた資料が引き継がれることもありません。
まとめ
調停離婚は、協議離婚が成立しない場合に、夫婦のどちらかが申し立てることで手続きが開始されます。
調停では、調停委員会が間に入り夫婦双方の言い分を聞く形で進められていくことになります。
また調停では、それぞれの主張や言い分を裏付けるための資料等も提出していくことになります。
この資料の有無等で調停委員会の意見も異なってきますので、非常に重要となるところです。
夫婦間で離婚がうまくまとまらず、揉めた場合は、できるだけ早くに専門家に相談することでその後の展開を有利にすすめることができます。
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【経済的利益がない場合(離婚・親権・面会交流など)】
27万5,000円~上記は目安であり、事案によって異なります。
備考
費用は、事案の内容等をお伺いしたうえで、見積書を提示してご説明します。
別途、申立手数料等の実費などが必要です。
参考
着手金:22万円
報酬金:35万2,000円(200万円×17.6%)
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合計:57万2,000円