残業代請求 |堺市の弁護士【田渕総合法律事務所】堺東駅5分

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残業代請求

残業代請求ができるのはどのような時か?

時間外労働、休日労働、深夜労働のいずれかをした場合は、通常よりも多い割増賃金を請求できます。
 
時間外労働とは、労働基準法で定められている「1日8時間・週40時間」の法定労働時間を超えて働くことです。
休日労働とは、労働基準法で定められている「週1日又は4週を通じて4日」の法定休日に働くことです。
深夜労働とは、「午後10時から翌日午前5時まで」の間に働くことです。
 
時間外労働、休日労働、深夜労働をした場合は、次の様な割増賃金を請求できます。
 

時間外労働
通常の賃金の2割5分以上(時間外労働が月60時間を超える場合は超えた分は5割以上)
休日労働
通常の賃金の3割5分以上
深夜労働
通常の賃金の2割5分以上

 
これらの労働が重複する場合もあります。
例えば、時間外労働と深夜労働が重複する場合は、5割以上の割増賃金になります。
また、休日労働と深夜労働が重複する場合は、6割以上の割増賃金になります。
 
上記の数字を基に、残業代の計算を行った結果、実際にもらった給料に反映されていれば問題ありません。
しかし、未払いとなっている場合は、労働者から会社に対して、残業代請求を行うことができます。
 

管理職は残業代請求ができない場合もある?

労働基準法41条により、監督、管理の地位にある者、機密の事務を取り扱う者には、労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されないことになっています。
こうした管理監督者の地位にある場合は、時間外労働、休日労働の割増賃金を請求できません。
ただ、管理監督者の地位にあるかどうかは、「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」と言えるかどうかにより判断されます。
課長や部長といった肩書があっても、職務内容、勤務上の裁量などからして、管理監督者の実態がない場合は、通常の労働者と同様になるため、残業代請求もできます。
 

残業代を請求するためには証拠が必要

会社に未払いの残業代を請求するためには、具体的な数字が分かる証拠を集めなければなりません。
大きく分けると次の2つの証拠が必要です。
 

  • 1、給料についての証拠
  • 2、実際の残業時間についての証拠

 
給料についての証拠は、残業代をいくらもらっていたかを証明するためのものです。
採用時に会社からもらった雇用契約書、労働条件通知書などの他、給与明細、給与の振り込みが確認できる預金通帳などが証拠になります。
また、就業規則、賃金規程なども証拠として使えることもあります。
 
実際の残業時間についての証拠は、残業時間がどのくらいだったかを証明するためのものです。
代表例は、タイムカードです。
勤怠管理ソフトなどで管理している場合のデータも証拠になります。
その他、業務で使うメールの送信時刻、パソコンのログイン、ログオフ時間などが証拠となることもあります。
 
こうした証拠がない場合は、会社に対して証拠開示を請求する手段があります。
労働者の方が自分自身で会社に証拠開示を求めることもできますが、会社が真剣に応じてくれないこともあります。。
このような場合は弁護士に依頼し、弁護士から会社に対して証拠開示することで、会社に対応を求めるとよいでしょう。
弁護士から証拠開示を求めても、まともに会社が対応しない場合は、証拠保全という裁判手続きを行使することも考えられます。
裁判所を通じた強制力のある手続のため、会社は証拠の提出を拒否することはできません。
 

残業代請求には消滅時効があることに注意

残業代請求権は、通常の債権と同じように消滅時効があります。
労働基準法115条には、「賃金の請求権はこれを行使することができる時から5年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。」と定められています。
※5年間の期間は当分の間は、3年間とされています。退職金だけが5年間になります。(労働基準法附則143条)
 
そのため、残業代請求権の消滅時効の完成猶予の手段を講じておく必要があります。
 
具体的な方法としては、残業代請求を行う会社に対して、
 

  • ・残業代が未払いであること
  • ・残業代の金額
  • ・未払いの残業代を請求する旨

 
を記載した配達証明付き内容証明郵便を送付します。
 
内容証明郵便を送付することによる消滅時効の完成猶予は、催告時から6カ月と言った短い期間しか効力がないため、その間に、会社に残業代を支払ってもらう必要があります。
それでも応じない場合は、訴訟を提起することにより、消滅時効の完成を完全に止めることもできます。
 

残業代請求は個人で対応するのではなく外部の力を借りることも検討しよう

残業代請求は、自分自身で証拠を集めたり、会社と交渉して請求することもできます。
しかし、労働者個人と会社との関係ではどうしても、個人の方は立場が弱くなります。
そのため、外部の力を借りることも検討しましょう。
 
労働基準監督署は、会社が労働基準法などの法令を守っているか監督する行政機関です。
労働者が会社から残業代を支払われていない旨を労働基準監督署に相談、申告すれば、労働基準監督署からその会社に対して、調査や是正勧告を行うこともあります。
労働基準監督署が出てくれば、会社も未払いの残業代の支払いに応じてくれることもあります。
 
弁護士に相談することも解決への近道になります。
弁護士なら、労働者に代わって、未払いの残業代請求交渉をすべて行ってくれますし、裁判手続きなど様々な手段を講じて、会社に未払いの残業代を支払わせることができます。
 
残業代を請求できる期間は限られているため、早めに相談することが大切です。