発信者情報開示請求 |堺市の弁護士【田渕総合法律事務所】堺東駅5分

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発信者情報開示請求

ネット上で誹謗中傷や悪質な投稿などを行った発信者を特定する手段として、発信者情報開示請求があります。
不法行為による対策として知っておきたい制度ですが、どのような手続きや準備が必要なのでしょうか。
そこで、本記事では発信者情報開示請求の概要や手続きの流れ、気を付けるべき注意点についても解説していきます。
 

発信者情報開示請求とは?

発信者情報開示請求は、インターネット上で権利侵害の投稿等があった場合に、被害者がプロバイダやサイト管理者などに対して発信者情報の開示を請求できる制度です。
 
誹謗中傷や風評被害が起きるような悪質な投稿などは、発信者が分かれば損害賠償請求等の法的措置を取れます。
しかし、ネット上やSNSでは匿名性が高く、現状では発信者の特定が難しいという問題があります。
 
したがって、法的措置を取る前段階として、発信者の氏名や住所を特定できる「発信者情報開示請求」がプロバイダ責任制限法で規定されました。
 
ただし、当該制度は必ずしも請求が認められる、もしくは発信者を特定できるとは限らないため、事前に注意点も含めて把握しておく必要があります。
 

発信者情報開示請求の基本的な流れについて

発信者情報開示請求は、基本的に下記のような流れで行われます。
迅速に手続きを進めるためにもチェックしておきましょう。
 

① 誹謗中傷の投稿や書き込み等を証拠として保存する

投稿内容や日時、URLや相手のアカウント情報等をスクリーンショットなどで記録します。
 

② 弁護士に相談して開示請求ができるか検討する

投稿や書き込みが不法行為に該当するか、開示請求できるか等を弁護士に相談します。
 

③ サイト運営者やコンテンツプロバイダに発信者情報開示請求をする

弁護士から請求書を送付してもらい、IPアドレスやタイムススタンプ等の開示を求めます。
 

④ 仮処分の申立てを行い裁判上で開示請求を行う

③では管理者等は開示に応じないケースがほとんどです。
そのため、裁判所から開示の命令を下してもらう決定(仮処分)の手続きを行います。
 

⑤ サイト運営者やプロバイダから情報開示

④で仮処分が出れば、発信者のIPアドレスやタイムスタンプか開示されます。
 

⑥ IPアドレス等の情報を基にアクセスプロバイダに開示請求

⑤で得た情報を基に、今度はアクセスプロバイダに開示請求をします。
こちらも任意で応じてくれる可能性は低いため、基本的には裁判上で開示を求めます。
 

⑦ 開示された情報から発信者を特定、損害賠償請求を行う

⑥で開示された情報から発信者の氏名や住所を特定し、損害賠償請求の手続きを開始します。
 

発信者情報開示請求の注意点やポイント

発信者情報の開示請求を行う際の注意点やポイントには、主に以下の点があります。
手続きを行う前にあらかじめ確認しておきましょう。
 

① 投稿内容等が不法行為に該当するか

まずは投稿や書き込みが名誉棄損や業務妨害罪などの不法行為に該当するか、事前にしっかりと確認しましょう。
仮に裁判で認められないと、訴訟での時間や費用が無駄になってしまいます。
 
なお、投稿等は必ずスクリーンショットなどで保存しておきましょう。
長い対話から問題の投稿が出た場合は、一連のやり取りが分かるよう全ての関連する投稿を記録します。
 

② 投稿や書き込みから日時が経ち過ぎてないか

プロバイダでは、発信者のIPアドレス等の記録を時間経過で消去していきます。
したがって、投稿から日にちが経ち過ぎてないかもチェックしましょう。
 

③ 開示請求の手続きは迅速に進める

時間経過でプロバイダはIPアドレス等を消去してしまいます。
また、発信者も投稿を消してしまう可能性があるため、開示請求の手続きは迅速に進める必要があります。
 
ちなみに、プロバイダの記録は大体3カ月程度で消去されるケースが多くなっています。
 

④ 発信者の特定には時間や費用が掛かる点を認識しておく

発信者情報の開示には時間や費用が掛かるため注意しましょう。
プロバイダへの請求で2回、そして発信者への訴訟で1回の合計3回の裁判が基本的に必要となります。
 
また、弁護士等へ依頼する場合は弁護士費用も掛かります。
費用としては数十万円から百万円程度掛かりますので覚えておきましょう。
 

⑤ 弁護士などの専門家にも協力してもらう

手続きを迅速に進め、裁判でも主張が認められるためには、法律的な知識やノウハウが不可欠です。
弁護士などの専門家にサポートしてもらった方が安心でしょう。
 

削除請求は専門家の力も借りながら進めていきましょう!

発信者情報開示請求の概要や流れ、注意点やポイントも解説しました。
インターネット上での発信者特定は難しいため、できれば早いうちから弁護士等の協力を得て請求は進めた方が良いでしょう。
 
迅速に手続きを進めないと発信者の情報は消えてしまいますので、本記事を確認しつつ専門家にも相談しながら手続きは進めてみて下さい。