労災 |堺市の弁護士【田渕総合法律事務所】堺東駅5分

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労災

労災(労働災害)とは

労災(労働災害)とは、仕事が原因で、ケガを負ったり、病気になったり、死亡してしまうことです。
労災は大きく二つの種類に分けられます。
業務災害と通勤災害です。
 
業務災害とは、労働者が業務を遂行するうえで生じたケガ、病気、死亡事故のことです。
例えば、

  • ・仕事中に転倒してケガを負った。
  • ・上司のパワハラにより、心身を病んでしまった。
  • ・長時間労働により、過労死してしまった。

といったような場合が、典型的な業務災害になります。
 
通勤災害とは、労働者が通勤中または帰宅中に、ケガを負ったり病気になったり、死亡事故に遭遇してしまうことです。
例えば、

  • ・通勤中、帰宅中に交通事故に遭遇してしまった。
  • ・通勤中、帰宅中に階段で転んでケガを負ってしまった。

といったような場合です。
なお、通勤災害の場合は、通勤と言えるかどうかがポイントになります。
 
通勤とは、就業に関し、

  • ・住居と就業場所との間の往復
  • ・単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動
  • ・就業場所から他の就業場所への移動

を合理的な経路及び方法で行うこととされています。
 
例えば、帰宅中、コンビニやスーパー等に立ち寄った後の経路で災害に遭遇した場合に通勤と言えるかどうかが問題になることもありますが、日用品の購入など日常生活上必要な行為を最小限度の範囲で行っただけであれば、その後の経路も通勤に含まれると解されています。
 

労災(労働災害)に遭った場合は

労災(労働災害)に遭った場合は、すぐに病院に行き治療を受けましょう。
ケガをした時の状況を説明すると共に、災害時の状況を記録に残しておくことが大切です。
 
その後で、労働基準監督署で労災保険の給付を受けるための手続を行います。
通常は、会社が労災保険の手続きに協力してくれますが、会社から労災保険は使えないと言われることがあるかもしれません。
しかし、労災保険を使うことは労働者の権利なので、しっかり手続しましょう。
もしも、会社が協力してくれない場合は、弁護士などに相談することも検討してください。
 

労働災害保険の給付

労災保険は、業務上の災害又は通勤災害により労働者が、

  • ・負傷した
  • ・疾病にかかった
  • ・障害が残った
  • ・死亡した

場合に、労働者又はその遺族に対して保険給付を行う制度です。
 
労働保険の主な給付内容は次のとおりです。

療養補償給付(療養給付)
病院での診察や入院など、傷病の療養・治療のための給付です。
休業補償給付(休業給付)
働けない間の給与補填のための給付です。
療養中の休業の4日目から支給されます。
障害補償給付(障害給付)
障害が残った場合の給付です。等級に応じて年金か一時金が支給されます。
遺族補償給付(遺族給付)
労災により労働者が亡くなった場合に遺族に支給されます。
傷病補償年金(傷病年金)
業務上の負傷・疾病が療養開始後1年6か月を経過しても治っていない場合に支給されます。
介護補償給付(介護給付)
障害年金または傷病年金を受けていて、現に介護を受けている場合に支給されます。

 

加害者がいる場合は?

交通事故などであれば、労災保険の請求とは別に、加害者に対して、損害賠償請求や慰謝料の請求を行うことができます。
また、労災に遭った状況について、会社にも過失がある場合は、会社に対して、損害賠償請求や慰謝料の請求を行うことができます。
例えば、安全のための設備を設置していないなど、会社が労働者に対する安全配慮義務を怠っていたような場合です。
損害賠償請求や慰謝料の請求はご自身で行うことは大変難しいため、早い段階で弁護士に相談することが大切です。
 

労災(労働災害)で弁護士が必要な場面とは?

会社が労災保険の申請に協力しない場合

会社が労災保険の申請に協力することを拒否することもあります。
そもそも、会社が労災保険の保険料を支払っていない場合や、会社に労働基準監督署の立ち入りがあると困るというような後ろめたい事情を会社が抱えている場合もあるようです。
労災保険を使うことは労働者の権利ですが、会社と労働者の関係ではどうしても、労働者側が不利になります。
そんな時は、弁護士に依頼することで、会社と対等な立場で問題解決を図ることができます。
 

後遺障害(後遺症)の程度をきちんと評価してもらえない場合

労災が原因で生じた傷害について、医学上、労災前と同じ状態にまで回復しないと診断された場合を症状固定と言います。
症状固定後に残っている障害を後遺障害(後遺症)と言います。
後遺障害(後遺症)にはその程度に応じて、等級が設けられていますが、どの等級に認定されるかにより、障害補償給付金額の額が異なります。
しかし、実際の労働者の後遺障害の状況と比べて、低い等級の認定しか受けられないこともあります。
その様な場合には、異議申立てを行うことで、実際の後遺障害の状況にあった等級認定を受けられるようにしたものです。
早い段階から、労災問題に詳しい弁護士が関わることで、適切な等級認定を目指すことができます。
 

会社に過失があると認めてもらえない場合

会社に安全配慮義務違反があるなど、労災となった原因について、会社などに過失がある場合には、受けた損害について、会社に損害賠償請求や慰謝料請求ができます。
しかし、多くの会社は、そう簡単には「会社に過失があった」とは認めません。
早い段階から、労災問題に詳しい弁護士が関われば、会社への損害賠償請求や慰謝料請求につなげることができます。